1995年のTVアニメから始まって25年以上経った今でも根強い人気がある【エヴァンゲリオン】。旧約聖書に基づく謎めいた設定やストーリー、また人型巨大兵器と謎の怪物との迫力あるバトルや登場人物の関係性がとても魅力的ですよね。
TVアニメから始まり、旧劇場版、新劇場版へと続き、そして2021年3月に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』でついに完結できたのです。無事に完結できたエヴァンゲリオンですが、その後の展開も気になるところですよね。
そこで今回は【エヴァンゲリオン】無事にアニメが完結できた理由と今後の展開について考察していきます。エヴァ通な人もエヴァ初心者に人にも楽しんで頂けると嬉しいです。
エヴァンゲリオンとはどんな話?

まず初めにエヴァンゲリオンの基本的なあらすじについてご紹介していきますね。
2015年、主人公の碇(いかり)シンジは、父・ゲンドウに呼ばれ第3新東京市を訪れました。第3新東京市とは、使徒(しと)の襲来(しゅうらい)に備えた要塞都市(ようさいとし)でNERV(ネルフ)が管理しています。
ゲンドウはNERVの総司令官であり、シンジをエヴァンゲリオンのパイロットとして使徒と戦わせるために呼び寄せたのです。エヴァンゲリオン初号機に適合したのがシンジだったのでした。
シンジは急な展開で困惑してしまいますが、重傷を負ったまままた戦闘に向かわされそうになった同世代の少女・綾波(あやなみ)レイを目の当たりにし、自分が戦うことを決意します。
こうして人類存続をかけた使徒との戦いにシンジは身を投じていくことになるのです。あらすじを見る限りでは、エヴァンゲリオンは明るい話ではなく、どちらかというと暗めの話に見えますよね。
実際エヴァンゲリオンのパイロットであるシンジ、レイ、惣流(そうりゅう)・アスカ・ラングレーの3人は心に深い闇を抱えながらエヴァンゲリオンに搭乗し、使徒たちと戦っているのです。
どんなに戦っても心の闇は晴れない。でも現れる使徒と戦わなくてはいけない。彼らはみんな14歳。14歳といえば、一番多感な年齢で心に闇を抱えやすい年齢ですよね。そんな葛藤がリアルに描かれているのです。
エヴァンゲリオンTVアニメ版と劇場版との関係性は?

1995年にTVアニメ化された【新世紀エヴァンゲリオン】は意味深な設定と謎のストーリーが評判となり、【宇宙戦艦ヤマト】や【機動戦士ガンダム】に次ぐアニメブームを巻き起こしました。
たくさんの考察本(こうさつぼん)やエヴァンゲリオンが旧約聖書に基づいていることから、聖書関連の書籍がたくさん出版され、『エヴァブーム』という社会現象まで起きたんですよ。
『エヴァブーム』を受けて旧劇場版が製作される
社会現象にまでなったエヴァンゲリオンは、1997年にTVアニメ最終話となる25話と26話を作り直す形として、劇場版(旧劇場版)が3本製作されました。
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生(1997年)
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを、君に(1997年)
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に(1998年)
こうして3本の劇場版が作られ、完結したかと思われたエヴァンゲリオンですが、さらなる展開を迎えるのです。
そして新劇場版へと続く
2007年に『新劇場版』として、TVアニメ版と旧劇場版とは一部異なる設定やストーリーとして断続的(だんぞくてき)に製作され、公開されました。
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年)
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年)
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年)
- シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(2021年)
前作の『Q』と今作の『:||』の間は何と9年も間が空いていたんですね。そして『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』によって25年以上に渡って作り続けられていた【エヴァンゲリオン】は無事に完結することができたのでした。
【エヴァンゲリオン】アニメを見る順番!新・旧劇場版の違いとは?について劇場版の違いについて詳しく掲載していますので、こちらもチェックしてみて下さいね!
TVアニメ版・旧劇場版と新劇場版との違いは?

TVアニメ版・旧劇場版と新劇場版とでは、主なストーリーの一部が少し違っています。前半はほとんど同じですが、後半は旧劇場版の世界観を残しながら、新たな設定やストーリーが盛り込まれているんですよ。
変更箇所 | TVアニメ版・旧劇場版(旧作品) | 新劇場版(新作品) |
海の色が赤くなる | 『セカンドインパクト』で南極の一部『サードインパクト』で全ての海が赤くなる | 『セカンドインパクト』で全ての海が赤くなる |
周囲の人物たち | ほとんど焦点があたることはなかった | シンジの友人をはじめ多くのキャラクターが登場して感情や関係性が表現されている |
キャラクターの固有名詞 | 惣流・アスカ・ラングレー | 式波・アスカ・ラングレー |
エヴァンゲリオン機体の名称 |
零号機・初号機・弐号機のように漢数字+号機 |
零号機・初号機はそのままだが2号機のように数字で表されている |
使徒の数 | 18体 | 13体 |
リリスの存在 | NERVの一部の人間にしか告知していない | NERVすべての職員に周知されている |
エヴァンゲリオンの世界では海の色が赤いのですがご存知でしょうか?この赤い海にも新旧で違いがあるのです。旧劇場版では『セカンドインパクト』で南極の一部が、『サードインパクト』で全ての海が赤く染まります。
しかし新劇場版では『セカンドインパクト』で全ての海が赤くなり、シンジたちは青い海を知りません。
また人物の描写(びょうしゃ)や設定にも変化が見られ、旧劇場版では主人公の周りにいるキャラクターに焦点があたることはありませんでした。しかし新劇場版ではシンジの友人をはじめ多くのキャラクターの感情や関係性が表現されています。
固有名詞(こゆうめいし)の変更
エヴァンゲリオンのヒロインの1人である『惣流・アスカ・ラングレー』ですが、新劇場版では『式波(しきなみ)・アスカ・ラングレー』に苗字が変更されています。
彼女の作品での立ち位置や役割などが以前と異なるということを『苗字の変更』によって表現したようですね。
【エヴァンゲリオン】アスカの名前変更理由、変更前後での違いを解説でアスカの苗字の変更の理由が明らかとなりますので、こちらも合わせて読んでみて下さいね!
エヴァンゲリオン機体の名称
そしてエヴァンゲリオンの機体の名称も新劇場版より変更されています。以前は『漢数字+号機(零号機など)』の方式でしたが、新劇場版では零号機と初号機はそのままですが、2号機以降はこの方式は適用しないのです。
これについてもエヴァンゲリオン各機が誕生した由来が異なることを表現したかったのでしょう。
機体番号 | 旧機体名 | 新機体名 |
0 | 零号機 | 零号機 |
1 | 初号機 | 初号機 |
2 | 弐号機 | 2号機 |
3 | 参号機 | 3号機 |
4 | 4号機 | 4号機/EvangelionMark.04 |
5 | 量産型(5号機) | 仮設5号機 |
6 | 量産型(6号機) | エヴァンゲリオンMark.06 |
7 | 量産型(7号機) | 不明 |
8 | 量産型(8号機) | ヴィレカスタムEVA8号機 |
9 | 量産型(9号機) | エヴァンゲリオンMark.09 |
10 | 量産型(10号機) | エヴァンゲリオンMark.10 |
11 | 量産型(11号機) | 不明 |
12 | 量産型(12号機) | 不明 |
13 | 量産型(13号機) | エヴァンゲリオン第13号機 |
旧機体名が『量産型』となっているTVアニメ・旧劇場版とくらべると、新劇場版ではきちんと機体名が入っていて、よりわかりやすくなりました。
使徒にも違いがある
さらにエヴァンゲリオンの敵である使徒にも違いがあります。以前は使徒の数が18体だったのに対し、新劇場版では13体しか登場しません。また、使徒は『NERV本部地下に封印されている第2使徒リリス』を狙っています。
旧劇場版では、リリスの存在はNERVの一部の人間にしか告知していませんでした。しかし新劇場版になると、NERVすべての職員にも周知されており、『サードインパクト』を防ぐことがNERVが存在する目的であると明確にされているのです。
『Q』で世界観は全く変わる
そして新劇場版3作目の【ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q】からは状況が一変します。『ニア・サードインパクト』を起こし、世界を崩壊(ほうかい)させたシンジは、周りの人間との交流が絶たれ、困惑と絶望の淵に立たされます。
ここでTVアニメ版と違い、早いうちから登場する渚カヲルとの交流によってわずかながら希望を持ち始めたシンジは、セントラルドグマにある『ロンギヌスの槍』『カシウスの槍』の2本の槍によって世界をやり直そうとします。
シンジが槍を抜いた瞬間、2本は『ロンギヌスの槍』に変形してしまいます。そして父・ゲンドウによりこの作戦は失敗、シンジの目の前でカヲルは死亡してしまいます。これまでの努力や人との繋がりが否定されたシンジは落ち込みますが、アスカに手を引かれ歩き出すことができたのです。
果たしてエヴァンゲリオンは完結したのか?

最後に今回のテーマである『エヴァンゲリオンは完結したのか?』について考察していきましょう。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』によって完結できたのか?
結論から申し上げましょう。エヴァンゲリオンは『完結しました』。しかも驚くほどスッキリと完結できたのです。細かい謎は残っていますが、ほぼすべての謎が『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』によって解決、そして完結できました。
『完結できた』と思うところは、主人公・シンジの戦いが終わったことが完結へのカギとなったからでしょう。
シンジの戦いとは、父・ゲンドウとの戦いです。『ゲンドウ』という高い壁を完全に乗り越えたからこそ、本作で完結できたのかもしれませんね。
エヴァンゲリオン、今後の展開は?

エヴァンゲリオン原作者で総監督(そうかんとく)の庵野秀明(あんのひであき)氏は、2014年に特撮(とくさつ)映画の【シン・ゴジラ】を製作します。
タイトルの『シン』には、『新』や『真』、あるいは『神』と複数の意味が込められていると言っていました。
エヴァンゲリオン劇場版の今回のタイトルである『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の『シン』にも果たして同じ意味が込められているのか、気になりますね。
タイトルとキャッチコピーから考える今後とは
『:||』は音楽の楽譜で使われる記号の1つで、『反復(はんぷく)、リピート、やり直しをする』という意味を持つ記号です。さらには『続、そして終。非そして反。』というキャッチコピーが付けられています。
タイトルとキャッチコピーから考察してみると、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は『全く新しい劇的なことが起こる。そして終わりであって終わりでない』という意味にとれることができますよね!
もしかしたら数年後、新シリーズとして何かが始まる予感さえします。エヴァンゲリオンとはいったい何だったのか!?その正体を詳しく解説!も合わせて読んでもらうと話がもっとわかりますよ!
まとめ
- 1995年にTVアニメから始まり25年以上経っても根強い人気がある【エヴァンゲリオン】
- TVアニメ、旧劇場版、新劇場版、そして2021年3月『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』によってついに完結できた
- 2007年にTVアニメ版と旧劇場版とは一部異なる設定やストーリーとして『新劇場版』が断続的に製作され、公開された
- 新劇場版からの主な変更はアスカの苗字、エヴァンゲリオンの機体の名称、使徒の数などが変更された
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q』で世界観は全く変わる
- エヴァンゲリオンの今後の展開はタイトルとキャッチコピーで考察すると何年後かに何かがあると予想できる
今回は【エヴァンゲリオン】無事にアニメが完結できた理由と今後の展開について考察してみました。
TVアニメから始まり、そして社会現象にまでなった【エヴァンゲリオン】。決して明るいストーリーではなく、どちらかというと暗いストーリーですが、それでも愛してやまない人たちが今でもたくさんいます。
今回で『ひとまず』完結しましたが、曲者(くせもの)の庵野秀明氏のことなので、何年後かに『新シリーズ』が始まる予感もしますよね。このままでは終わらせたくない【エヴァンゲリオン】をこれからも注目していきましょう!
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