1995年のTVアニメ放送で『第三次アニメブーム』を起こし、社会現象とまでになった【エヴァンゲリオン】。アニメに熱中する人もいる中で、「全く見たこともないし、物語も知らない」という人たちもいらっしゃいますよね。
「そもそもエヴァンゲリオンって何?」「使徒(しと)ってどんなものなの?」と言葉の意味がわからないと、エヴァンゲリオンを見たくても途中で挫折(ざせつ)してしまうことでしょう。
そこで今回は『エヴァンゲリオンの簡単なあらすじの紹介と難しいポイントを解説』についてまとめていきます。エヴァンゲリオンについてみんなで詳しくなっちゃいましょう!
エヴァンゲリオンの簡単なあらすじ
物語は2015年から始まります。主人公の碇(いかり)シンジは父であるゲンドウに呼び出され、第3新東京市を訪れます。第3新東京市とは使徒の襲来(しゅうらい)に備えた要塞都市(ようさいとし)で、『特務機関NERV(とくむきかんネルフ)』が管理している都市なのです。
ゲンドウはNERVの総司令官(そうしれいかん)で、シンジを第3新東京市に呼び寄せたのは、シンジをエヴァンゲリオンのパイロットとして戦わせるためでした。初号機に適合(てきごう)したのが、シンジだったのです。
シンジは急な展開で困惑(こんわく)してしまいますが、重傷を負ったまま次の戦いへと駆り出される少女、綾波(あやなみ)レイを目の当たりにして、自分が使徒と戦うことを決意します。こうしてシンジは人類存続を賭(か)けた使徒との戦いに身を投じていくことになるのです。
エヴァンゲリオンのここが難しい!
それではここから核心についていきたいと思います。皆さんがエヴァンゲリオンで躓(つまず)きやすいポイントをご紹介していきますね!
その1:映画、TVアニメ、漫画によって結末や登場キャラクターが違う
エヴァンゲリオンには映画、TVアニメ、漫画と3つのコンテンツがあり、それぞれの結末や登場するキャラクターがコンテンツによって違います。その違いを説明していきますね。
大きな違いは『第17使徒ダブリスを倒した後』からとなります。
①TVアニメ版
第17使徒ダブリスを倒した後、シンジが自分の精神の中で自問自答をするといった内容で終わります。他人と関わるようになってから、人類には色々な可能性が秘められていることに気づいたシンジは、自分もそうであると肯定(こうてい)できるようになったのです。
『TVアニメ版』とは別の結末が『旧劇場版』と『漫画版』の2つに描かれています。
②旧劇場版
旧劇場版では、ダブリスを倒した後突然SEELE(ゼーレ)が人類補完計画(じんるいほかんけいかく)を発動させます。そしてNERVを攻撃してサードインパクトを発生させるのです。SEELEによって制圧(せいあつ)されたNERV本部では、量産型エヴァンゲリオンが発動されます。
それをアスカがたった1人で迎え撃ちますが、無惨にも量産型の餌食(えじき)となってしまうのです。その後のアスカの無惨な姿を目の当たりにしたシンジ自身も、サードインパクトの生贄(いけにえ)にされてしまいました。
最後に原初の海でレイ、渚カヲル(なぎさかをる)と再会し、『TVアニメ版』とはまた違う形式で人類のあり方について肯定したシンジ。ここで旧劇場版は終わります。
③漫画版
漫画版は基本的には最終話までは『旧劇場版』と同じ内容ですが、『旧劇場版』よりポジティブでより希望に満ち溢(あふ)れ、未来に向かって進んでいく結末に変更されています。
漫画版はキャラクターデザインを担当した貞本義行(さだもとよしゆき)先生自身が描いているんですよ。漫画版もアニメ版と劇場版と同じ方が描いているので、漫画版でもエヴァンゲリオンの世界にすんなり入りやすいでしょうね。
さらにコミックスでは何と『新劇場版』に登場する『真希波(まきなみ)・マリ・イラストリアス』が出てきます。『新劇場版』への繋(つな)がりを持たせるものなのか、またはマリのファンへのサービスなのかはわかりませんが、興味のある方は漫画版もぜひ読んでみて下さいね!
④新劇場版
『新劇場版』は『序・破・Q・:||』の全4作となり、『序』と『破』の中盤まではシンジたちが使徒と戦って勝利を収めるという点は『TVアニメ版』とほとんど変わらない内容です。
しかし『破』の後半でいきなりサードインパクトがおこります。これは『旧劇場版』と同じ設定です。しかし3作目の『Q』になると物語は一変、舞台が2029年へと変わってしまうのですよ。
『Q』でどの部分が変更された?
『Q』ではサードインパクト発生辺りで変更された部分がいくつかあり、あまりにも早すぎるアスカの退場、カヲルの登場のタイミングが早い、マリの登場など、徐々に今までの世界とは違う「未知の世界」を展開していきます。
変更点がかなりあり、世界中の海の色がサードインパクトではなくセカンドインパクトによって赤色になることや、第3使徒のサキエル以外の使徒の形状が全く異なる、使徒の数や登場する順番が変わっているなど『Q』ではこれまでのエヴァンゲリオンの世界とは異なる部分が大きいのです。
【エヴァンゲリオン】アニメは完結できた?今後の展開について考察!では『Q』について詳しくご紹介していますので、こちらもご確認下さいね!
その2:使徒の謎、正体や目的は
【エヴァンゲリオン】の作品を困難なものにしている原因の1つとして『使徒』の存在があるでしょう。使徒とは宇宙の原初(げんしょ)の地球の南極付近に飛来(ひらい)してきた生命体のことで、第2使徒と第18使徒を除くすべての使徒は第1使徒である『アダム』から誕生しました。
一方で同時期に日本の箱根付近に飛来したのが第2使徒の『リリス』でした。本来であれば1つの星につき1つの生命体しか飛来しないはずなのですが、何らかの理由で2つの生命体が同時に地球にやってきてしまったのです。
- 赤い球体状のコアが弱点であること
- 『S2機関』という無限のエネルギー源があること
- 不可侵(ふかしん)の防御壁『ATフィールド』が展開可能であること
使徒たちは親であるアダムに還(かえ)ろうとしますが、セカンドインパクトによって何とアダムの肉体はバラバラになってしまいます。アダムを失った使徒たちはリリスをアダムだと思い込み、使徒はリリスがいる第3新東京市へ侵攻(しんこう)してくるようになってしまったのです。
使徒の出所や目的とは?
まず出所については使徒は『遺伝子配列(いでんしはいれつ)』というものが人類とほぼ同じです。そのため人類発祥(じんるいはっしょう)に使徒が密接に関係していることがこれでわかりますよね。
そして目的ですが、第3新東京市の地下(NERVの地下)に封印されている第2使徒リリスとの融合(ゆうごう)もしくは同化することです。NERVはその同化で引き起こされるサードインパクトを防ごうとしているのですよ。
なぜ使徒はリリスとの融合・同化を目的としているのか?
実際に使徒がなぜリリスとの融合・同化を目的としているのかがはっきりとわかっていません。
ただし1つだけわかっていることは『使徒がリリスをアダムだと勘違いしている』ということです。
アダムがセカンドインパクトによりバラバラになってしまったことを知らない使徒たちはリリスをアダムだと思い込み、融合・同化をしようとしているのでしょう。
使徒の名前
使徒の名前が気になると思いますので、ここで名前をすべてご紹介しましょう。
第1使徒 | アダム | 第10使徒 | サハクィエル |
第2使徒 | リリス | 第11使徒 | イロウル |
第3使徒 | サキエル | 第12使徒 | レリエル |
第4使徒 | シャルシエム | 第13使徒 | バルディエル |
第5使徒 | ラミエル | 第14使徒 | ゼルエル |
第6使徒 | ガギエル | 第15使徒 | アラエル |
第7使徒 | イスラフェル | 第16使徒 | アルミサエル |
第8使徒 | サンダルフォン | 第17使徒 | ダブリス |
第9使徒 | マトリエル | 第18使徒 | リリン |
中には天使っぽくない名前もありますよね。ちなみに第17使徒の『ダブリス』は実は渚カヲルなんですよ!
その3:エヴァンゲリオンとATフィールド
人型決戦兵器(ひとがたけっせんへいき)であるエヴァンゲリオンも少し理解しがたい部分がありますよね。エヴァンゲリオンの難しさについてもご紹介します。
エヴァンゲリオン
エヴァンゲリオンは地球に侵入してきた使徒と戦うための『人型決戦兵器(ひとがたけっせんへいき)』で、見た目は巨大なロボットのようですが、実はロボットではなく『人造人間(じんぞうにんげん)』なのです。
人間でいう脊髄(せきずい)の部分にコックピットがあり、エヴァンゲリオンのパイロットに選ばれた少年少女のみしか操縦することができません。エヴァンゲリオンのコアには『操縦者の母親の魂』が使用されているため、その魂に同調した人物しか操ることができないようになっています。
エヴァンゲリオンはコアがない状態だと暴走し、制御ができなくなってしまいます。
初めにエヴァンゲリオンに搭乗したシンジの母・碇(いかり)ユイとアスカの母・惣流(そうりゅう)・キョウコ・ツェッペリンは暴走したエヴァンゲリオンに取り込まれてしまい、初号機(しょごうき)と弐号機(にごうき)のコアとなってしまいました。
シンジとアスカは母親の魂と同調できるため、エヴァンゲリオンを操ることができるのです。
なぜ綾波(あやなみ)レイはコアがなくてもエヴァンゲリオンに搭乗できるのか?
ちなみに零号機(ぜろごうき)の綾波レイはなぜコアがなくてもエヴァンゲリオンに搭乗できるのか、気になりますよね。実はレイは『リリスのコア』によって搭乗することができるようなのです。
レイの魂は『リリス=神』のものとなっています。リリスは人類を生み出した神であり、コアに魂が入っていなくても操縦が可能なのではないでしょうか。
【エヴァンゲリオン】パイロットになる条件とは?鍵は年齢と母の存在!ではパイロットになる条件が詳しく書かれていますので、併せて読んでみて下さいね!
エヴァンゲリオンが作られたきっかけ
エヴァンゲリオンは第1使徒アダムと第2使徒リリスをコピーして、使徒殲滅(せんめつ)を目的に作られた兵器です。そのため使徒と同じく『ATフィールド』が使えることができるのですよ。
使徒とエヴァンゲリオンだけが展開・中和・貫通(かんつう)させられる「バリア」のようなものです。(一部の武器でも可能)
知的生命体が備えた『心の壁』でできており、他者を拒絶する防衛本能が具現化(ぐげんか)しています。
またATフィールドには『リビドー』と『デストルドー』という心理学用語が使われています。リビドーは『生存への衝動(しょうどう)でATフィールドを生み出す力』、もう1つのデストルドーは『死と破壊への衝動でATフィールドを無力化する』という意味を持っているんですよ。
特務機関NERV
特務機関NERVとはエヴァンゲリオンを開発し、使徒を倒すことを目的に設立された、国連の秘密機関です。
シンジの父親であるゲンドウが総司令官を務めていて、人類を守るために戦っています。しかしこのNERVという存在を知る人は多くはありません。第3新東京市の地下深くに本部があり、各国にも多数の支部があります。
第3新東京市は箱根の付近にある都市で、使徒とエヴァンゲリオンが戦うための都市です。数十もの防壁(ぼうへき)に守られた地下空間が設けてあり、エヴァンゲリオン本体や多数の兵器が格納されています。
人類を生み出した第2使徒リリスが落下した場所の上に形成されているため、最下層(さいかそう)のジオフロントにはリリスが安置されているのです。
人類が、使徒とエヴァンゲリオンの戦いで被害にあわないようにきちんと工夫されているんですね。
その4:綾波レイと渚カヲルの存在
エヴァンゲリオンを難しくしている原因の1つとして、意外にも『綾波レイ』と『渚カヲル』の存在というのもあります。
綾波レイの出生にはいくつか諸説があり、シンジの母・ユイが事故により初号機に取り込まれてしまった際、何らかの事情がありユイの特徴を受け継いで偶発(ぐうはつ)的にレイが生まれたこと、ゲンドウがユイを復活させるために作り出したクローン人間だとも考えられているんです。
経緯は違いますが、渚カヲルもレイと同じ境遇(きょうぐう)なんですよ。彼らの出生の秘密にもエヴァンゲリオンが関わっているということがより一層エヴァンゲリオンを難しくさせています。
その5:SEELEとゲンドウが目指す人類補完計画
『新劇場版』でSEELEとゲンドウは、使徒と戦いながら内密に『人類補完計画』を進めていきます。NERVの上層部を除くNERV職員の大半はSEELEの存在はもちろん、人類補完計画のことは何も知らされていません。
この人類補完計画の元になっているのが、前述した『裏死海文書(うらしかいぶんしょ)』です。SEELEはこれをもとにして使徒の行動にまで介入(かいにゅう)してくるのですよ。
SEELEとゲンドウの間にも計画の目的に微妙な差異が出ていることも、物語を複雑にしている原因となっています。SEELEは人類全体の強制進化(きょうせいしんか)が目的ですが、反対にゲンドウは亡き妻ユイの復活という個人的な目的で計画を進めているのです。
ちなみに『旧劇場版』の人類補完計画では、シンジと初号機を中心に全人類の魂を1つに融合させる、というものでした。これがエヴァンゲリオンを難しくさせているポイントとなります。
秘密結社SEELE
『SEELE』は世界を裏で支配する秘密結社で、メンバーなどの詳細は一切不明です。裏死海文書の通りに行動していて、得体(えたい)の知れない不気味さを漂(ただよ)わせています。
『裏死海文書』とは人類の行く末、予言書と言われ、太古から人類の歴史を書き記した碑石(ひせき)のようなものです。
NERVよりも上位の組織であるとされ、NERV総司令官のゲンドウですらもSEELEの指揮下(しきか)となっているのですよ。
使徒を殲滅するというのは『仮の目的』であり、実際は『人類補完計画』といった壮大(そうだい)な計画を進めていると言われています。
人類補完計画
『人類補完計画』とはSEELEの真の活動目的であり、人類を原初の生命へと還すための計画です。
人類はリリスから生まれた存在で、もともとは1つの生命体でした。アンチATフィールドの力によって、自分と他人の境界がなくなれば人間はLCL(リリスの体液)という原初の姿に戻ることができると言われています。
そこでSEELEは人類自らの手でサードインパクトをおこし、『生命の実』を取り込んだ上で始祖(しそ)であるリリスのもとへ還って正しい単体の生命体として生まれ変わろうと考えたのがこの人類補完計画というわけです。
まとめ
- エヴァンゲリオンは内容が難しく、途中で断念してしまう人も多い
- エヴァンゲリオンのあらすじは主人公の碇シンジが父・ゲンドウにエヴァンゲリオン初号機のパイロットとして呼び出され、第3新東京市を訪れる。重傷を負っても戦おうとする綾波レイの姿を見て、自分が戦うことを決意するのが主なあらすじである
- エヴァンゲリオンを難しくしているポイント『映画、アニメ、漫画で結末やキャラクターが違う』、『使徒の謎や正体や目的』、『エヴァンゲリオンとATフィールド』、『綾波レイと渚カヲルの存在』、『SEELEとゲンドウが目指す人類補完計画』など
今回は『エヴァンゲリオンの簡単なあらすじの紹介と難しいポイントを解説』についてまとめてみました。
エヴァンゲリオンは熱狂的なファンが多数いる一方で「用語や設定などが難しくてわからない!」といって途中で断念してしまう人たちも多いですよね。皆さんにもぜひこの記事を読んで頂き、少しでもお役に立てられると本望(ほんもう)です!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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