1990年代を代表するアニメ作品であり、今なお多くのファンから愛されている伝説的なアニメシリーズ『エヴァンゲリオン』はご存知でしょうか。アニメのみならずその主題歌も国民的な大ヒットを遂(と)げ、何度も劇場版(げきじょうばん)が公開されている作品です。
登場するキャラクターが個性豊かなことで知られていますが、中でも綾波(あやなみ)レイは、男性から絶大な人気を集め、当時「100万人の日本人男性が恋をした」とまで言わしめました。おおげさなようですが、実際に彼女を知れば知るほど、いつの間にか好きになってしまいます。
そこで今回は、多くのファンを虜(とりこ)にした綾波レイの正体を解説していきますね。他の美少女キャラとは一線を画す驚きの事実に、綾波レイをさらに好きになること間違いなしです!
エヴァンゲリオンとは

綾波レイの紹介に入る前に、まずはエヴァンゲリオンについて触れておきたいと思います。『エヴァンゲリオン』は、2015年を舞台とし、巨大な人型兵器エヴァンゲリオンのパイロットとなった少年少女たちと、彼らの住む街を襲う謎の敵使徒(しと)との闘いを描いたSFアニメ作品です。
数年前におこった大災害・セカンドインパクトによって多くの人々が命を落とし、さらになぜか海が赤く染まっている異質(いしつ)な世界を舞台としています。また、セカンドインパクトによる熱によって南極の氷が溶けた影響で、第3新東京市が新たな首都となりました。
この街の地下にはネルフという組織があり、そのネルフが管理しているエヴァンゲリオンを操作する役目を担っているのが、チルドレンと呼ばれる14歳の少年少女たちです。今回紹介する綾波レイは、中でも最初にパイロットと認められたため、ファーストチルドレンと呼ばれています。
【エヴァンゲリオン】美少女・綾波レイ

それでは綾波レイについてみていきましょう。まずは簡単なプロフィールを確認していきます。
- 生年月日:2002年3月30日
- 年齢:14歳
- 学校:第3新東京市立第壱(いち)中学校2年A組
- 職務:エヴァンゲリオン零号機(ぜろごうき)パイロット
パイロットとして世界を救う任務を任されていますが、その見た目は文字通りの美少女です。神秘的(しんぴてき)な水色のショートヘアに、色白で透(す)き通った肌。見ているうちに吸い込まれていくような不思議な魅力を備えています。
そんな綾波はアニメ初登場回で、自身が操縦するエヴァンゲリオンの搭乗(とうじょう)実験の際に起こった事故によって大怪我を負い、全身包帯(ほうたい)だらけで姿を現しました。ただの美少女キャラではない、ということを知らしめるようなシーンとして語り継がれています。
【エヴァンゲリオン】綾波レイは物静かな性格

そんな綾波レイは、作中でかなり物静かな性格として描かれています。話し方は淡々(たんたん)としていて、まるで感情がないかのようです。実際はもちろん感情を持ち、綾波の司令官(しれいかん)である碇(いかり)ゲンドウなど一部の人には時折笑顔を見せて会話しています。
また、綾波の自室は驚くほど何もありません。少々安っぽいベッドと椅子、壁際には小さな冷蔵庫とチェストがあるのみです。ミニマリストもびっくり、といったところでしょうか。薄暗い印象の強いこの部屋は、あまり他人に心を開かない綾波の性格を表しているようです。
周りのほとんどの人に対して、とにかく無口で無表情な姿勢を貫(つらぬ)く美少女・綾波。人間らしい温かみを感じないのですが、それはどうしてなのでしょうか?実は、綾波の正体は人間ではないのです。
【エヴァンゲリオン】綾波レイは人造人間(じんぞうにんげん)だった!

結論から先に言うと、綾波は人間ではありません。碇ゲンドウという1人の男が、彼の妻・碇ユイと再会するために生み出された、いわば人造人間なのです。以下、綾波が誕生する過程(かてい)を順を追って説明していきますね。
- 碇ユイ(碇ゲンドウの妻)が、とある実験の最中にエヴァ初号機に取り込まれてしまい、LCL化してしまいました。※LCL化:パイロットとエヴァンゲリオンのシンクロ率が高くなりすぎたせいで二つが融合(ゆうごう)してしまい、パイロットがLCLという液体に溶けてしまうこと。
- LCL化してしまったユイを助け出すために、「サルベージ計画」が打ち出されます。サルベージ計画とは、本人に生還(せいかん)する意思があればLCL化から元の姿に戻すことのできる計画のことです。
- しかし、ユイは生還する意思を見せず、初号機(しょごうき)の中にとどまることを選択しました。
- 彼女の決断にショックを受けた碇ゲンドウは、彼女の肉体は諦め、碇ユイという存在の情報のみを強制的(きょうせいてき)にサルベージさせることにしました。
- ゲンドウは、サルベージされたユイと第一使徒であるアダムを融合させ、これら二つの情報から構築(こうちく)された肉体を作り上げました。この肉体には魂(たましい)が入っていなかったため、ゲンドウはリリスの魂を注入し、ついに1人の人造人間を生み出しました。この人造人間こそが、綾波レイなのです。
※アダム:第一使徒。アダムから生まれた生命が、「使徒」と呼ばれます。
リリス:第二使徒。リリスから生まれた生命が、「人類(リリン)」と呼ばれます。
つまり、綾波レイは碇ゲンドウが生み出した、碇ユイのクローンだということです。綾波が普通の人と比べてあまり感情を表にせず、ゲンドウにのみ笑顔を見せていた背景が、ちょっとだけ見えたような気がしますね。
生身の人間ではないことが判明した綾波ですが、作中ではさらに、普通の人間では考えられないようなことを可能にしています。なんと、綾波レイは3人いるのです。
【エヴァンゲリオン】綾波レイは3人いる

あるシーンで綾波は「私は多分三人目だから」といっており、このことから綾波は3人いる、とする読者の声があります。それぞれの綾波に違いはあるのでしょうか。順番に分けてみていきましょう。
1人目の綾波レイ
1人目の綾波は、碇ユイのクローンとして生まれました。ある日彼女は、ゲンドウと愛人関係になっていた赤城ナオコに対し、その関係を指摘します。すると赤城は途端(とたん)に激怒し、綾波を絞殺(こうさつ)してしまったのです。綾波は残念ながら命を落としました。
2人目の綾波レイ
2人目の綾波レイは、1人目とは違い、シンジやアスカといった多くの仲間と積極的に交流しており、次第にさまざまな感情を芽生(めば)えさせていく様子が印象的です。特に主人公であるシンジには恋心を抱いていたようで、女の子っぽい一面も見せていますよ。
しかし最終的には、アルミサエルという強力な使徒によって侵食(しんしょく)されてしまい、その過程で自ら命を絶(た)つことを選択しました。
3人目の綾波レイ
3人目の綾波は、2人目がアルミサエルとの闘いで命を落とした数日後に姿を現しました。全身の至るところに包帯や手当(てあて)の跡などがあり、非常に痛々しく見えます。
綾波が生きていることを知ったシンジは彼女に会いにいきますが、3人目の綾波には2人目の感情が受け継がれていなかったのでしょうか。シンジのことを「あなた」と呼んでいました。記憶を全て失っていたようです。
以上のように、「綾波は3人いる」とするのが有力な考えです。一方で、「綾波は生き返っている、つまり不死身だ」とする読者の声もあります。謎は深まりますが、いずれにせよ綾波は人造人間らしい登場をしている、と言えますね。
まとめ
- 『エヴァンゲリオン』は、エヴァのパイロットと使徒の闘いを描いたSFアニメ作品。
- エヴァ零号機を操作するファーストチルドレン・綾波レイ。
- 綾波レイは無口で無表情な美少女。
- 綾波レイは碇ユイのクローンとして誕生した人造人間だった。
- 綾波レイは2度生き返っているor3人の綾波レイがいる。
ここまで、エヴァンゲリオンの中でも特に人気のある綾波レイの正体について深く解説してきました。他のアニメでよく見かけるただの美少女キャラではなく、複雑なバックグラウンドを持つキャラクターだったのですね。
美しさの中にもどこか儚(はかな)さを感じさせる彼女が、多くの読者を今なお魅了(みりょう)しているのも納得です!
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