『ハンターハンター』という作品をご存じですか?週刊少年ジャンプにて1998年から連載が始まり、2020年となった今なお連載中という冨樫義博(とがしよしひろ)さんの大人気漫画です。ジャンプの中では、なんとワンピースに続く第2位の連載期間を誇っています!
アニメやゲーム、映画化もされている作品なので、「タイトルだけは知っている!」という人もいるかもしれませんね♪魅力的なキャラクターが数多く登場しますが、その中でも重要なポジションと噂(うわさ)されつつ、いまだに謎に包まれたキャラクターが存在します。
その名も『ジャイロ』という人物です。今回は、ジャイロというキャラクターに焦点をあてながら、ハンターハンターの魅力にも迫(せま)ってお話していきます!
ハンターハンターってどんな作品?

ジャイロについてお話する前に、まずはハンターハンターがどんな作品なのかをみていきましょう!この世界には2つの重要なワードがありますので、先にそちらから説明していきます!
ハンター
この世界では、『ハンター』という職業が存在します。遺跡(いせき)を探索したり、怪物(かいぶつ)を退治したり、美食を求めて秘境(ひきょう)へ行ったりと、冒険家(ぼうけんか)のような職業ですね!
ハンターにはアマチュアやプロという違いもあり、プロのハンターになる為には数百万分の一と呼ばれるほど難易度の高いハンター試験を突破しなければなりません!司法書士の資格でおよそ30人に1人の合格ですから、その難易度の高さには驚(おどろ)きの一言ですね!
念能力
ハンターハンターの世界を語る上で、ハンターという職業以外の大切な概念(がいねん)として、『念能力』というものがあります。念能力とは、オーラと呼ばれる生命エネルギーを操(あやつ)る特殊能力で、6つの系統に大きく分かれているんです!
- 強化系 :物の持つ強度や力を高める能力
(例)肉体の強化や治癒力(ちゆりょく)のアップ
- 放出系 :オーラを飛ばす能力
(例)エネルギー弾を飛ばして攻撃
- 変化系 :オーラの性質を変える能力
(例)電気を発生させる
- 操作系 :物質や生物を操る能力
(例)針を刺した人や物を自由自在に操る
- 具現化系:オーラを物質化する能力
(例)左手で触ったものを右手で具現化する※24時間
- 特質系 :上記のいずれにも該当しない能力
(例)人の記憶を読める
治癒力がアップできるようになれば、風邪をひいた時に役立ちそうですね!「何かしらの能力が自分にも備わっていれば・・・。」そんな風に考えてみるのも、楽しいかもしれません♪
あらすじ
主人公はくじら島で生活する『ゴン=フリークス』という少年です。両親はおらず、育ての親であるミトという女性と一緒に過ごしていました。幼少期のとある日、森でキツネグマと呼ばれる獣(けもの)に襲(おそ)われているところを、カイトという青年に助けられます。
カイトと話すうちにゴンは、カイトの知り合いである『ジン=フリークス』が自身の父親で、生きていることを知ります。「父親は既に亡くなっている。」と聞かされて育ったゴンには、驚きの事実でした。しかもカイトによるとジンは、偉大(いだい)なハンターの1人だというのです!
カイトを通じてハンターという職業に憧(あこが)れ、父親のジンに会いたいという気持ちを持ったゴン。その目的を果たす為、故郷のくじら島をでて冒険の旅へと踏み出すのでした!
各章のタイトル紹介
ハンターハンターのストーリーは、大きく10章に分かれています。
- ハンター試験編
- ゾルディック家編
- 天空闘技場編(てんくうとうぎじょうへん)
- ヨークシン編
- グリードアイランド編
- キメラ=アント編
- 会長選挙・アルカ編
- 暗黒大陸・王位継承編(あんこくたいりく・おういけいしょうへん)
- クラピカ追憶編(くらぴかついおくへん)
章でまとまっていると、わかりやすいですね。ハンターハンターの物語を読んだ後、「〇〇編が楽しかった!」と話がしやすいのも嬉しいところ♪
作者について
ハンターハンターについてみたところで、作者の冨樫義博さんについても触れていきましょう!冨樫義博さんは1987年に『とんだバースディプレゼント』という作品が『週刊少年ジャンプWinter Special』にて掲載(けいさい)され、漫画家としてデビューしました。
基本的に少女漫画のような可愛らしい絵ですが、突然リアルな絵やグロテスクな絵にも変化する個性的な作画が特徴の漫画家です!話題豊富(わだいほうふ)な漫画家で、有名なものには休載率(きゅうさいりつ)の高さがあります。
ハンターハンターは度々休載しているのですが、その期間をみると最短で3か月、最長だと2年3か月もの期間を休載していた過去があるんです。「週刊とは一体・・・。」と感じる人もいるでしょう。そんな状態でも連載が続くことから、作品に対する人気の高さが伝わりますね♪
冨樫義博さんの代表作
冨樫義博さんはハンターハンター以外にも、有名な作品を描かれております。それは『幽☆遊☆白書(ゆう☆ゆう☆はくしょ)』と『レベルE』です!どちらもアニメ化までされた大人気作品なので、「知っているよ!」という人も多いかもしれませんね♪
幽遊白書に至っては連載当時、『ドラゴンボール』と『スラムダンク』に並びジャンプ黄金(おうごん)時代の三大人気作の一角(いっかく)と言われていたほどです!この2作品と並ぶとは、すごいの一言につきますね♪
レベルEは、「アシスタントに頼らずに作品を描いたらどうなるか試したい」という想いのもと書かれた作品で、週刊誌なのに月一連載だったらしいですよ!実行する冨樫義博さんもすごいですが、それを良しとしたジャンプ側の判断もすごいと感心してしまいます!
ジャイロってどんなキャラクター?

ハンターハンターと作者について一通りみてきたところで、いよいよ『ジャイロ』というキャラクターについて、みていきましょう!ジャイロが初登場するのは、キメラ=アント編のことです。
キメラ=アント編
「キメラ=アント編を知らないよ。」という人もいますよね?そうした方の為に少しだけ、内容に触れていきましょう。物語はNGL自治国に女王蟻が流れ着くところから始まります。簡単にキーワードとなる言葉をご紹介しますね♪
- 舞台 : NGL(ねおぐりーんらいふ)自治国
- NGL自治国 : 機械文明を捨て自然の中で生活する国(※以降はNGLと記載)
- キメラアント : 暗黒大陸に生息する、女王蟻より生み出される蟻(あり)
- 女王蟻 : キメラアントの中で唯一(ゆいいつ)摂食(せっしょく)交配という特殊な生態系を持つ個体
- 摂食交配 : 食べた対象の特徴を受け継いだ蟻を産む
女王蟻はNGLを拠点(きょてん)として、手当たり次第に捕食(ほしょく)をくり返します。捕食対象は獣だけでなく人間にも及び、次第に念能力に目覚めるキメラアントまで生まれる事態になったのです!
この事態を危険視したハンター達は、キメラアントを討伐(とうばつ)する為に討伐隊を結成し、『キメラアントVS人間』の戦いへと発展していきます。ハンターとなったゴンは『とある青年』と再会することにより、この戦いへと関わっていくことになるのでした。
ジャイロという人物
ジャイロは、舞台となるNGL自治国の設立者です。NGL自治国は、表向き自然保護を目的とした健全な国家ですが、裏では全世界に麻薬(まやく)をばらまくことを目的に設立されました。「なぜそんなことをする国にしたの?」と思いますよね?
なぜならジャイロには、「悪意を全世界にばらまきたい」という強い意志があったのです!ジャイロがこの意志に至るには、幼い頃の記憶が影響していると考えられています。幼いジャイロの人生について、振り返ってみていきましょう!
ジャイロの生い立ち
幼いジャイロには母親がおらず、父親と2人で生活していました。しかし父親は酷(ひど)い男で、生活は貧(まず)しく子供であったジャイロに強制労働をさせていたのです。しかも、その給与はすべて自分が奪(うば)い取っていたという極悪(ごくあく)ぶり!
ある時ジャイロは自身が父親にとって、お金を稼ぐ為の道具でしかないということを悟(さと)ります。この出来事をきっかけとして、ジャイロは世界に対して絶望(ぜつぼう)してしまい、12歳のときに父親をハンマーで殺害して姿を消しました。
NGLの設立とキメラアントの襲撃(しゅうげき)
9年後、ジャイロはNGLを設立。更にその9年後にはNGLを国家として認めさせるという功績(こうせき)を残します。しかしその功績の裏では、国家の裏組織(うらそしき)を束ねる支配者(しはいしゃ)として、構成員から『王』と呼ばれる存在にもなっていたのです!
ところが、NGLはキメラアントに襲われて壊滅(かいめつ)し、ジャイロ自身もキメラアントに食べられてしまいます。ここが大切なポイントで、登場してすぐに人間であるジャイロは亡くなっているのです!
「登場後すぐにキメラアントに食べられてしまったジャイロが、なぜ特別なの?」そんな風に感じますよね?その理由は、食べられた後にジャイロがどうなったのかが関係してきます!
ジャイロが特別である所以(ゆえん)
人間としての人生を終了し、キメラアントと化したジャイロが、特別で需要なポジションであると噂される理由には、大きく4つの要素が関係してきます。
- 外見
- 記憶と人格
- 解説
- 向かったと予想されている場所
パッとみただけでは、いまいちピンとこないですよね?順番に詳しくみていきましょう!
外見
キメラアントになる際の特徴として、外見に変化が生じます。『キメラ』という名前にふさわしく『人間×他の動物』という見た目ですね。いくつか例をご紹介しましょう!
- ペンギン人間
- カメレオン人間
- 狼人間
- タコ
爬虫類(はちゅうるい)から軟体生物(なんたいせいぶつ)まで、色々います。狼人間はまだよい気もしますが、タコ・・・。(笑)本編では大変ナイスガイなタコなのですが、自らの身に降りかかると思うと、遠慮したいかもしれませんね!
このように多くの生物は、外見が大きく変化します。しかしジャイロには、ほとんど変化がみられません!というのも、キメラアント化したジャイロは、フードつきのロングジャンパーを着た容姿の描写(びょうしゃ)しかないのです!
記憶と人格
キメラアントの特徴は、食べた生物の特徴を反映した蟻を生み出すというものです。そして、生まれ変わったキメラアントには生前の記憶や人格がありません。また、生まれた瞬間から習性として女王に忠誠心(ちゅうせいしん)をもって従います!
稀に生前の記憶を思い出す者も現れますが、ごく少数とされているのです。そんな中でジャイロは、生前の記憶や自身の人格を維持したままキメラアントになります!本来であれば生まれたときに女王に忠誠心をもって従うはずですが、ジャイロは女王の元を離れました!
おそらくジャイロ自身の根底にあった世界に対する悪意や、それを感じる自分自身を失うわけにはいかないという強い意志が、記憶や人格の維持に繋がったのではないかと考えられています。
解説
ハンターハンターの作中には、以下のような解説があります。
結局ジャイロは ゴンと出合うことなく
この街を去り どこかへ消えた
それが互いにとって 幸運だったのか否かは
2人が出合うまで わからない
とても意味深な言葉ですよね!主人公であるゴンと、今後出合う為の伏線(ふくせん)のようにも感じられます。これで出合うことなく物語が終了してしまったら、「冨樫義博さんどうした!?」と思ってしまうかもしれません!
上記の解説に加え、作中ではジャイロが「世界に悪意をばらまく為の計画を一からやり直す」といった内容のセリフもあります。解説とセリフを組み合わせて考えると、今後かなり重要なポジションにくるのではないかと予想するのは、自然な流れといえるでしょう!
ジャイロの行先は何処(いずこ)に?
キメラアントと化したジャイロが街を去った後、『流星街(りゅうせいがい)』という場所に向かったとされています。これは、ジャイロが人間時代の部下であった『ウェルフィン』というキャラクターのセリフで記(しる)されました!
この流星街という場所がポイントで、ヨークシン編にてゴン達と相対(あいたい)した幻影旅団(げんえいりょだん)という組織の出身地とされている場所なのです!
組織のメンバーはまだ残っているので、ジャイロがメンバーと何らかの形で合流し、いつかゴン達の前に立ちはだかるかもしれない!という推測(すいそく)が、ファンのなかで繋がっています。
まとめ
- ジャイロは比較的ストーリーが進んでから登場したキャラクター
- ジャイロは今後の登場を予想させる伏線に溢(あふ)れている
- ハンターハンターは休載率がとても高い
ジャイロはハンターハンターの中で、比較的ストーリーが進んでから登場したキャラクターです。そんなジャイロが特別と噂されるのは、今後重要な局面での登場を予想させる様々な伏線によるものがあります。
この伏線が回収されるのか放置されるのかは、今後ハンターハンターの見どころの1つといえるでしょう!また、ハンターハンターといえば休載率の高さがあります。幽遊白書の際は1回しか休載しなかったので、落差(らくさ)が激しいですね。
願わくば休載することなく物語の終わりまで突き進んでほしいですが、仮に休載期間があったとしても大丈夫です!きっと誰しもが納得する展開を、冨樫義博さんは書き上げてくれるでしょう♪
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