【犬夜叉(いぬやしゃ)】は【うる星やつら】や【らんま1/2】の作者である高橋留美子(たかはしるみこ)先生の作品として有名ですよね。先生の漫画(まんが)の中で【犬夜叉】の連載(れんさい)期間は最も長く、4作品もの映画が公開されていました。
そんな【犬夜叉】の主人公である犬夜叉は、妖怪と人間のハーフである半妖(はんよう)で、妖怪からも人間からも忌(い)み嫌われているという設定でしたよね。そのルーツである犬夜叉の両親については知らない方も多いのではないでしょうか?
また、犬夜叉の父は異母兄(いぼけい)である殺生丸(せっしょうまる)の父でもあります。殺生丸は犬夜叉を敵視しており、たびたび戦闘になりますが、その理由にも犬夜叉の両親は深く関わっているんですよ!そんな犬夜叉の父と母はどんな人なのか、ご紹介したいと思います!
犬夜叉の父ってどんなキャラクター?
犬夜叉の父は、西国を支配していた犬の大妖怪です。作中で本名は明らかにされておらず、『犬夜叉の父』や『犬の大将』などと呼ばれていました。犬夜叉が物心つく前にはもう亡くなっていましたが、その影響力は凄(すさ)まじく、父が残した刀をめぐる戦いが何度もありました。
ファンの間で父を『闘牙王(とうがおう)』と呼ぶことがありますが、これは映画【天下覇道(てんかはどう)の剣】初期の予告編で仮に発表されていた名前なのです。その後本編では使われなかったのですが、力強さのあるネーミングで、犬夜叉のお父さんにぴったりですよね!
また殺生丸の母だけでなく人間の犬夜叉の母とも恋愛関係にあった事実は、弱い人間を蔑(さげす)むのが普通である妖怪のすることとは思えません。犬夜叉の父は強いだけでなく、人間を許容できる懐(ふところ)の広さを持っていたのでしょうね。
3本もの刀を持っていた!
西国を支配するくらいですので、とても強い大妖怪だったのですが、その強さをもっともよく表すのが、刀を3本持っていた設定です。
鉄砕牙(てっさいが)・・・犬夜叉に継承(けいしょう)
天生牙(てんせいが)・・・殺生丸に継承
叢雲牙(そううんが)・・・【天下覇道の剣】で所持していたことが明らかになった。力がない者が持つと刀に支配されてしまう。
【天下覇道の剣】によると「この3剣を扱える者はこの世の覇者(はしゃ)になれる」との言い伝えがあるそうですので、犬夜叉の父がどれほど強かったか想像できますよね。
アニメ第6、7話で犬夜叉が訪れた父の墓には巨大な白骨の屍(しかばね)になった父の姿があり、かつての強さに思いをはせることができますよ。
犬夜叉の父はなぜ死んだ?
犬夜叉の父の死は、東国を支配する非常に凶暴な大妖怪である竜骨精(りゅうこつせい)との戦いによるものでした。その強さを伝え聞いた父は戦いを挑み、致命傷を受けてしまいます。しかし、やっとのことで竜骨精を封印(ふういん)することができ、そのまま息絶えてしまうのです。
なお息子の犬夜叉も、父を死に至らしめた竜骨精とアニメ第53話で戦いました。父を超える試練として封印から蘇(よみがえ)った竜骨精が登場し、見事に犬夜叉はそれを乗り越えて鉄砕牙の奥義(おうぎ)『爆流破(ばくりゅうは)』を習得したのです。
家族に遺品を残す
犬夜叉の父は自分が死んだときのことを考え、生前から自らの遺品を家族に分ける用意をしていたんですよ。死に際に「兄には天生牙を、弟には鉄砕牙を与えよ」という遺言を残し、以下の品を家族に与えました。
- 鉄砕牙 妖怪の血を抑え、敵から身を守る武器として、また自分の正当な後継者である証として、犬夜叉へ
- 天生牙 思いやりの心を持つようにと教えを与えるため、殺生丸へ
- 火鼠の衣(ひねずみのころも) 自分の死後も身を守れるようにと、犬夜叉の母へ
- 冥道石(めいどうせき) 殺生丸が思いやりの心を持ったときその助けとなるよう、殺生丸の母へ
殺生丸が受け継いだ天生牙は、この世のものに攻撃を与えられませんが死者を生き返らせることができる癒(いや)しの刀なのです。殺生丸は当初この刀を使いこなせず、犬夜叉の鉄砕牙を奪おうとします。しかし鉄砕牙には結界が張られており、犬夜叉以外は持つことができませんでした。
父が刀をそれぞれの息子に与えたことによって、まずこのような兄弟ゲンカが起こっています。純粋な妖怪の殺生丸ではなく、半妖である犬夜叉を後継者にするという遺言は一見とても不思議ですが、ここには父なりの意図があったようです。
犬夜叉と殺生丸に与えた刀の意味とは
その意図とは「他者を思いやる気持ちを持ってほしい」ということ。初め犬夜叉が鉄砕牙を持ったとき、ほとんど役に立たないサビた刀だったのが、かごめを守ろうとしたときについに力を発揮(はっき)しました。鉄砕牙は「他者を思いやる気持ち」で発動する刀だったのです。
また初め殺生丸は自身の妖力(ようりょく)の強さから、他者や特に人間を見下し、それだけでなく、自分は後継者ではないという劣等感も持っていました。しかし、天生牙で生き返らせた人間のりん、敵ながら心を通わせた神楽(かぐら)との出会いで、次第に優しさを持つようになります。
お父さんは息子2人に試練を与え、それを乗り越えることで優しさを備えた本当の強さを獲得してほしかったのですね。後継者がどちらかなんて、父からすればどうでもよかったのかもしれません。
【半妖の夜叉姫】にも登場!
【犬夜叉】の続編である【半妖の夜叉姫(やしゃひめ)】第22話に、犬夜叉の父が登場しました!【半妖の夜叉姫】でキーパーソンとなる麒麟丸(きりんまる)が東国を、犬の大将が西国を支配し均衡(きんこう)が取れていた時代の場面で姿を現したのです♪
突然の犬の大将の登場に、視聴者から喜びの声があふれていたんですよ♪その一部をご紹介します!
- 闘牙王さんの登場、天下覇道の剣以来だー!
- いきなり犬の大将の登場から始まってびっくりした
- とわとせつなのおじいちゃんが登場!!
- 思ってた以上に犬の大将かっこよくてびっくりしてる
- 大塚明夫(おおつかあきお)さんの声がかっこよすぎる
犬の大将はその強大さから、孫の世代にまで影響を及ぼしているようですね。では続きまして、犬夜叉の母についてご紹介していきます!
犬夜叉の母ってどんなキャラクター?
犬夜叉の母は没落(ぼつらく)貴族の娘で、犬夜叉の父と恋に落ち犬夜叉を生みました。そして父と同じく犬夜叉が幼少の頃に亡くなったようです。殺生丸の母がいるのに浮気?と勘繰(かんぐ)りたくなりますが、当時は一夫多妻制ですし作中で特に問題があった様子はありませんでした。
母の名前は犬の大将と同じでアニメ本編では明らかにされていませんが、劇場版【天下覇道の剣】では十六夜(いざよい)という名前がついているのでそう呼ばれています。ここからは犬夜叉の母である十六夜について解説していきますね。
アニメ第7話に登場!
犬の大将には息子たちが父を乗り越えるというストーリーがあるため、様々な逸話(いつわ)があるのですが、十六夜の物語はほとんど描かれていません。そのため、半妖の犬夜叉を「どんな気持ちで」「どのように育てていたか」などは、読者が想像するしかないのです。
唯一(ゆいいつ)十六夜が登場するのがアニメ第7話、犬夜叉の回想シーンです。貴族の屋敷(やしき)で幼い犬夜叉が大人たちに「半妖」と見下され、十六夜に「はんようってなに?」と尋(たず)ねます。それを聞いた十六夜は涙を流し、犬夜叉を抱きしめるのでした。
このシーンは小さい犬夜叉が可愛いのも相まって、十六夜が子供を思う気持ちを想像し涙してしまいます・・・。十六夜の登場は少ないですが、たったこれだけのシーンで、このキャラクターの壮大なドラマを感じることができますよね。
劇場版【天下覇道の剣】で明らかになった父と母の過去
犬夜叉の父と母、2人のなれそめは明らかになっておらず「なぜ知り合ったのか」「どんな経緯で恋に落ちたか」など、不明な部分が多いです。そんな中劇場版3作目の『天下覇道の剣』は、犬夜叉が生まれた時のエピソードが描かれ、父と母の過去を知ることができる数少ない作品なのです!
前述の犬の大将や十六夜の紹介の部分でも出てきましたが、【天下覇道の剣】とは【犬夜叉】の劇場版第3作目で、2003年に公開されました。詳しいストーリーについては犬夜叉の映画『天下覇道の剣』あらすじからネタバレを大公開!で紹介していますので、是非ご覧ください!
犬夜叉が生まれた夜に十六夜は一度死ぬ
ここでは犬夜叉の父と母が登場する部分について、あらすじをご紹介したいと思います!
十六夜の家に使える武士である刹那猛丸(せつなのたけまる)は、十六夜に思いを寄せていました。彼は犬の大将との間に子供ができたことが許せず、犬夜叉が生まれたその夜に十六夜を槍(やり)で斬殺(ざんさつ)し、更に屋敷に火をつけてしまうのです。
そこに現れた犬の大将は、殺されている十六夜を発見し、天生牙で生き返らせました。十六夜は犬夜叉を連れて脱出に成功しますが、犬の大将は刹那猛丸と死闘を繰り広げ2人共死んでしまいます・・・。
犬夜叉の父と母にはこのようなエピソードがありました。アニメ版で犬の大将は竜骨精と対決して死んだことになっているので少し矛盾しますが、竜骨精に傷を負わされた状態で刹那猛丸と戦い、その後死んだという説が一般的なようです。
漫画ワイド版・作者インタビュー
犬夜叉の父と母についてご紹介してきましたが、これ以上の詳しい情報は全く描かれていません。謎(なぞ)に包まれている2人の素顔が気になるところですが、犬夜叉の漫画ワイド版の作者インタビューで高橋留美子先生が父と母について語っていました。
- 犬夜叉の父について「過去の物語に脱線するのは犬夜叉らしくない」
- 犬夜叉の父と母の関係は?「犬夜叉はすべてを描き切った漫画」「描いていない事は考えていない」
このように、作者は父と母について特別深く掘り下げて描くつもりがなかったみたいですね。あとは想像にお任せしますということでしょうか。出会った頃の幸せだったであろう犬夜叉の父と母について、妄想(もうそう)が膨らんでしまいます♪
まとめ
- 犬夜叉の父は犬の大妖怪で、刀を3本所持するほど強かった
- 東の大妖怪である竜骨精と戦いそれがもとで亡くなった
- 家族それぞれに形見を残し、息子たちには「思いやりを持つ」ための試練も残していた
- 犬夜叉の母は没落貴族出身の人間で、犬夜叉が幼少期に亡くなった
- 劇場版3作目の『天下覇道の剣』で両親について描かれた
- 作者は「全て描ききった」あとは想像におまかせ!
犬夜叉の父と母についてご紹介してきました!2人のエピソードはあまり深く描かれてはいませんが、物語の土台になるとっても重要な部分です!
作者によると2人の裏設定なども全くないようで少し残念ですが、ここに想像の余地があることでより犬夜叉の世界にどっぷり浸ってしまいそうですね♪
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