梅雨の時期になると、アジサイの花などにくっついて、のんびりはいまわるカタツムリ、最近あまり見なくなったと思いませんか。小さいころの学校の帰り、カタツムリを見つけては「でんでんむしむし、カタツムリ♫」と歌いながら家に帰ったのを思い出します。
最近では、百貨店などで飼育用のカタツムリが売られています。子供たちと一緒にカタツムリの飼育を楽しむのもいいですね。カタツムリのエサは何がいいのかな?好物なんてあるのかな?カタツムリもうんちをするのかな?子供たちの興味(きょうみ)はどんどん増していきます。
子供も大人も、飼い始めると、いろいろな疑問(ぎもん)や興味が湧(わ)いてきます。今回は、カタツムリが好んで食べるエサやその生態(せいたい)など、育て方も含めてご紹介します。
カタツムリはどんなエサを食べるの?好物は?

カタツムリは、おもに『水・野菜・果物』を好んで食べます。『葉っぱの柔らかい野菜』をあげると、喜んで食べてくれます。家庭で食事を作るときに出る野菜くずで十分ですが、カタツムリにも好き嫌いがあるようです。野菜ばかりではないですね。実は、甘い果物も好んで食べるんですよ。
ほかに、卵の殻(から)やイカの甲(こう)なども食べます。これは、殻(まいまい部分)を作るうえで、必要なカルシウムを補給(ほきゅう)するために食べます。エサを食べると当然ですがうんちもします。うんちは食べるものによって色がわかります。ぜひみてくださいね。
水(乾燥を嫌い水をたっぷり飲みます)
【野菜類】
キャベツ・ニンジン・きゅうり・レタス・葉っぱの柔らかい野菜・家庭で出る野菜ごみなど
【甘い果物】
バナナ・メロン・りんごなど
【殻を作るのに必要な食べもの】
卵の殻・イカの甲・コンクリート
食べない野菜もあるので、いろいろ試してみると好みがわかってきます。何匹も飼ってみるとそれぞれで、好みの違うカタツムリを発見することができ、生き物を飼う楽しみがどんどん増してきますよ。
カタツムリの大好物はバナナ?!
柔らかい葉っぱのサラダ系野菜から甘い果物などで、特にバナナは大好物です。実も皮も好んで食べるので、ぜひあげてください。どのようにして食べているのか、みるのも楽しいです。野菜は細かくする必要はありません。そのまま与えてください。
ぜったいNG!カタツムリに与えてはいけない食べ物は?
与えてはいけない食べ物もあります。カタツムリにはよくない成分が含まれている野菜や、消化不良の原因となる穀物などです。ぜったいに与えてはいけないのは塩です。皆さんご存じだと思いますが、ナメクジを駆除(くじょ)するときに塩を使いますよね、カタツムリも同じです。
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このほかには、毒素のある植物です。梅雨の時期と言えば『紫陽花(あじさい)』がきれいに咲くころですね。ときどき、カタツムリも花の上をはっているのを見かけることもあります。でも、紫陽花は食べないんですよ。毒が含まれているのを知っているので食べることは決してしないです。
ではなぜ、紫陽花(あじさい)の花に乗っているのでしょうね。実は、外敵から身を守るために、わざと乗っているのですよ。頭がいいですね。これにもびっくりです。
なぜコンクリートを食べるの?

カタツムリはコンクリートも食べます。よく、ブロック塀や道路をはっている姿を見かけることがありますね。実は、コンクリートを食べていたのです。これにはびっくりですね。では、カタツムリはなぜコンクリートを食べるのでしょう?
コンクリートから染(し)み出る炭酸カルシウムを食べています。これも、殻を作るのに必要なカルシウムです。飼育するときは、ホームセンターで売っているブロックを適当な大きさに砕(くだ)いて入れておきます。コンクリートを食べているカタツムリの姿を見て子供たちが大喜びしますよ。
カタツムリってどんな生き物?

現在の日本には約700~800種類のカタツムリがいると言われています。海にいる貝の仲間で、殻が『右巻き型と左巻き型』に分かれています。そして、カタツムリには意外と強い歯があります。噛み砕いて食べている様子をみるのも楽しいですね。
観察していて気になるのが、カタツムリとナメクジの違いですね。同じ仲間なのでしょうか?実は、カタツムリには殻があり、ナメクジには殻がないという違いです。ナメクジは殻が退化して、なくなってしまったと言われています。
カタツムリは、殻も成長します。生まれた時から殻に入っているので、飼育していると殻に入った赤ちゃんも見られます。わくわくしてきますね。気温が低くなると休眠や冬眠もします。殻にこもって動かなくなり、エサも食べなくなると休眠または冬眠状態です。起こさないでくださいね。
カタツムリの育て方は意外と簡単!

飼育するのは難しいのでは!いえいえ、実は簡単なのですよ。カタツムリの寿命(じゅみょう)は3~5年と言われています。大きさによって寿命の長さは違いますが、飼育によって10年も長生きした例もあります。
カタツムリの育て方は、5つの手順を押さえれば簡単に育てることができます。それでは準備から始めましょう。
飼育に準備するものは5つで、スーパーやホームセンター、ネットなどで簡単に準備することができます。また、水槽などでも代用できますが、蓋(ふた)がないと脱走してしまいます。どこまでもはっていくので、網などで蓋をしてください。
準備するもの
- 虫の飼育ケース
- 腐葉土(ふようど)、砂
- 木の枝、葉っぱ、小石
- 霧吹き
- 飼育の小皿
準備が出来たら、さっそく飼育ケースに砂、腐葉土、木の枝、葉っぱ、小石、の順に入れます。そして、乾燥を防ぐために霧吹きで湿らせておきます。
ストレスを与えない環境作り
生き物はストレスに弱いので、遊びができる環境を作ってあげます。木の枝や葉っぱなど、小石もストレス解消に役立ちます。もちろん、適当な大きさに砕いたブロックもカルシウムの補給やストレス解消にも効果があります。
カタツムリに必要な栄養素を与える『エサ』
新鮮な食べ物に敏感です。食べ残しは取りかえてあげましょう。カルシウムに必要な卵の殻や砕いたブロックも入れてあげましょう。休眠や冬眠時期に入るとエサをほとんど食べませんが、たまに目覚めるので、食べていなくても、新しいエサに取りかえてあげます。
水分量に気をつける

乾燥が天敵です、水をしっかり与えますが、水が多いと溺れてしまいます。霧吹きで適度の量を吹きかけます。冬の乾燥時期には注意しましょう。赤ちゃんが生まれたときは飼育用の小皿に移しかえてみるのもいいです。
カタツムリに触れた後はしっかり手洗いを
カタツムリには、寄生虫が宿る可能性があるといわれています。素手で触れたときはしっかり手洗いをしてください。衛生手袋(ゴム手袋)を準備しておくといいです。
これで準備は完了です。いよいよ、カタツムリの飼育を始めます。カタツムリは雄雌胴体(おすめすどうたい)ですので少なくとも2匹のカタツムリを育てていきましょう。赤ちゃんが生まれると嬉しいですね。
まとめ
- 好物は水や柔らかい野菜と甘い果物にカルシウムを含むもの。
- 与えてはいけない食べ物もある。
- 毒のある紫陽花の花で外敵から身を守る。
- カタツムリとナメクジは同じ仲間。
- カタツムリも冬眠する。
- 手順に従って飼育します。
カタツムリはコンクリートを食べるなんてびっくりですね。湿ったブロック塀にとまっているのを見かけますが、食べていたのですね。大好物はバナナなんて初めて知ったよと思われる方が多いのではないですか。私も、カタツムリは葉っぱを与えていればいいのだと思っていました。
カタツムリは意外と簡単に育てられます。ご紹介しました手順で、ぜひご家族で育ててみてください。子供たちとの会話も弾みます。
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