週刊少年ジャンプに、2016年2月から連載が開始された『鬼滅(きめつ)の刃』ですが、大人から子供まで絶大な人気を誇ったまま、2020年5月に最終話を迎えました。漫画本は売り切れ続出で、アニメも大人気、2020年10月には劇場版の公開も予定されているほど多くの支持を得ています。
多くの人を虜(とりこ)にする魅力は内容だけではありません。2019年4月~9月まで放送されたアニメでオープニング曲を担当した『LiSA(りさ)』さんが歌う、『紅蓮華(ぐれんげ)』を1度は耳にしたことがある方は多いはずです。
パワフルな歌声と、1度聴いたら忘れられないサウンドですよね。『鬼滅の刃』の人気に拍車(はくしゃ)をかけたこの曲ですが、シングルとアニメで歌詞の一部を変えているのです。今回は、歌詞を変えた経緯についてみていきたいと思います。
アニソンシンガー『LiSA』さんとは?

アニソン歌手として不動の人気を誇るLiSAさんについて、その経歴を簡単にご紹介します。アニソン業界では有名ですが、まだまだ一般的な知名度が低いと嘆(なげ)くファンが多くいるそうです。この機会にLiSAさんの魅力を知っていきましょう!
- 1987年6月24日生まれ
- 岐阜県関市出身
- 2010年に、テレビアニメ「Angel Beats!(えんじぇるびーつ)」の作中バンドの2代目ボーカル・ユイ役の歌唱パートに抜擢(ばってき)され、「LiSA」としてメジャーデビュー。2010年12月27日のライブを持って、一度活動を終える
- 2011年4月に活動を再開し、ソロデビューアルバムをリリース
- 2014年1月には日本武道館でワンマンライブを開催(かいさい)
- 2017年には初のアリーナツアーを開催
- 2018年に自身初のベストアルバムをリリース。初のオリコン週間1位を獲得
- 2019年7月に『紅蓮華』をリリース
紅蓮華で爆発的に売れたように感じますが、実は過去にワンマンライブやアリーナツアーを行うほど人気があるのです!オリコンランキングに何度もランクインしているので、もしかしたらどこかで何気なく曲を聴いていたかもしれませんね。
アニソン以外に、本格的なロックも豊富に歌われています。もちろんロック以外にも、ポップな曲からバラードまで様々な種類の曲を歌うマルチな歌手として活躍(かつやく)されているのです。紅蓮華でLiSAさんの事を好きになった人は、ぜひ過去の楽曲も聴いてみてくださいね。
曲のタイトル『紅蓮華』の由来

とてもインパクトのあるタイトルですが、紅蓮華とはいったいどういう意味なのでしょうか?紅蓮華とは漢字から想像できる通り『紅(くれない)色の蓮(はす)の華(はな)』の事を言います。蓮の花の種類には真紅(しんく)のものもあり、その花の事を指しているそうです。
また、『紅蓮(ぐれん)』とは『紅蓮地獄(じごく)』の略称(りゃくしょう)で、聞いただけで恐ろしくなってしまいますが、一体どういう地獄の事をいうのでしょうか。
八寒(はっかん)地獄という寒冷(かんれい)に責め苦しめられる8種類の地獄の第7の地獄。ここに落ちた者は、寒さのために皮膚が破れて血が流れ、紅の華のように見える。
綺麗(きれい)な蓮の花と、血で染まった紅蓮地獄を掛け合わせた『紅蓮華』。いつ誰が鬼になるかわからない世界で戦い続ける戦士を、紅の蓮の花に例えているようにも感じます。その蓮の花は、絶望の紅(あか)ではなく、希望の紅(あか)であって欲しいですよね。
シングルとアニメオープニング曲では歌詞が違う?

LiSAさん自身『鬼滅の刃』の大ファンで、原作を読んで自分なりに物語を読みほどき、その世界観を歌詞に込めたそうです。弱さを強さに変えて、大切な人を守るために戦い続けることのすごさや世界観が、聴く人に伝わってきますよね。
そうして出来上がった『紅蓮華』ですが、実はシングルとアニメのオープニング曲では歌詞が異なる個所があるのです。LiSAさんの強いこだわりにより、一部変更されている歌詞をみてみましょう。
【シングルバージョン(1番)】
どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ!
運命を照らして
【アニメバージョン】
どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
何度でも立ち上がれ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ!
運命を照らして
お気づきでしょうか?シングルでは『ありがとう悲しみよ』となっている部分が、アニメでは『何度でも立ちあがれ』となっているのです。原作のファンであるからこそ、原作を見たことがない、アニメから初めて見る人にも違和感を与えないように配慮されています。
LiSAさんの歌詞へのこだわり
アニメは、主人公の炭治郎(たんじろう)が家族を無くし、絶望する内容からはじまります。原作では弱さを乗り越え大切な人を守る為、強くなっていく炭次郎の成長が描かれていますが、マンガを読んでいる人であればこの展開を知っていますよね。
しかしアニメから見た人はどうでしょうか?絶望から始まる内容に、この後の展開を予想しながら楽しんでいる状態ですよね?オープニング曲を聴いて、「ありがとう悲しみよ」と絶望すらも自分の成長に繋げたことを連想する歌詞に、LiSAさんは違和感を感じたそうです。
まだ「ありがとう悲しみよ」というフレーズを伝える時ではない!と、オープニング曲の歌詞用に一部だけ変更して、みなさんにお届けしたそうです。それが「何度でも立ち上がれ」という歌詞になります。LiSAさんの強いこだわりがとても感じられますよね。
まとめ
- 紅蓮華の由来は、紅色の蓮の花と紅蓮地獄の真っ赤な血を掛け合わせている
- 紅蓮華は原作の世界観を歌詞に込めている
- シングルとアニメでは歌詞の一部が異なる
- アニメから見た人にも違和感を与えないように歌詞を変えた
この曲でLiSAさんの事を知った人や、曲を聴くようになった人も多くいますよね。紅蓮華には、歌詞の中にある『9文字』に注目し、見る人・聴く人に寄り添うLiSAさんの歌への熱い思いが現れています。
アニメを見る機会があれば、ぜひこの歌詞に注目してみていただきたいと思います。違いを知らなった頃とは異なった見方ができるのではないでしょうか。
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