皆さんはワンちゃんが動物病院の前で「この先は絶対に行かないから」と全身で踏ん張る姿を見かけた事はありますか?そんなワンちゃん達が怖がる理由が『注射』であるケースが多いのです。「うん、気持ちわかる」という方もいらっしゃいますよね。
普段は元気なワンちゃんでも一年に一回、この試練の波を乗り切らなくてはいけない日、それが『狂犬病のワクチン接種(せっしゅ)』。ワクチン接種と聞くと「うーん、注射する時だけちょっとガマンしてもらえれば大丈夫か」とつい気楽に考えてしまうことも。
しかし実はこの狂犬病のワクチン接種でまれに副作用が出てしまう事があるそうなんです。大切なワンちゃんを守るためにもこれは知っておきたい情報ですよね!それでは早速調べてみましたのでご覧ください!
狂犬病のワクチンに副作用がある?

ワンちゃんを恐ろしい狂犬病から守るためのワクチン接種に副作用があるなんて・・・と思ったら目の前のワンちゃんをぎゅーっと抱きしめてしまいたくなりますよね。可愛い家族を危険にさらしてしまうかもしれないなんて考えただけで心臓がぐっとつかまれそう。
【質問】チワワ♂の狂犬病ワクチン注射を打ったのですが、副作用の話を聞いてすごく不安だったのですが、普段より元気なくらいで部屋中駆け回っているし、めちゃくちゃ食欲旺盛です。(中略)元気すぎ、食欲ありすぎという副作用はあるのでしょうか?
【回答】元気でなによりです(笑)いつもと違う体験をして興奮してるだけだと思いますよ。
引用元 ヤフー知恵袋(外部リンクへ飛びます)
良かった・・・なんでもなさそうで何よりですね。でもいつもと違う体験の後だからこそ、ワンちゃんの小さな変化に飼い主さんは気になってしまうもの。気持ちは手に取るようにわかります。
これからワンちゃんを迎えようかと考えている方や、初めての狂犬病ワクチン接種を行う方のために、「狂犬病とは何なのか?」「どうしてワクチン接種を行わなくてはいけないのか?」「副作用とはどのような症状があるのか」についてお伝えしていきたいと思います!
ところで狂犬病ってどんな病気なの?
まずは狂犬病とはどんな病気なのでしょうか?よく動物病院のポスターには注意を促すことが書いてありますが、具体的に何が原因でどんな症状が出るのかを調べてみました。しかし『狂う』という字が入っているだけで内心穏やかではいられません。
狂犬病とは?
狂犬病ウィルスを持った動物に咬まれたり引っかかれたりする事で伝染する感染症です。人への感染のほとんどが犬に咬まれたことが原因。発症したら『死亡する確率100%』の非常に危険な感染症なんです。おお、早速雲行きが怪しい。
狂犬病ウィルスに人が感染すると、1か月~3か月ほどの潜伏(せんぷく)期間後に発症。ウィルスが脊髄(せきずい)に達した時に発熱、筋肉痛などの自覚症状が現れます。その後、意識障害や幻覚が現れ、やがて昏睡(こんすい)、そして死亡というとても恐ろしい病です。
世界では現在も狂犬病の報告がありますが、日本では1957年以降に狂犬病に感染した人はいません。それは狂犬病予防法で飼い犬の登録と狂犬病ワクチン接種を義務化をしたから。ですので再び狂犬病が日本で発生しない為に、一年に一度ワクチンを打ちましょうというわけなんですね。
狂犬病ワクチン接種とは?
大事なワンちゃん、人、社会を守るための狂犬病ワクチン接種ですが、具体的にどのようにして行われているのでしょうか?いざという時にあたふたしない為に、ここでその流れを見ていきたいと思います!
集団ワクチン接種で
毎年4月~5月位にお住まいの地区の公園などの広場で、狂犬病ワクチン接種を行っています。事前に市役所からワクチン接種のお知らせハガキが届きますので会場まで持っていくことを忘れずに!
ワクチン接種費用は大体3,000円程度。「ワクチンを接種しましたよ」という申請するために必要な『注射済票交付手数料』が550円程度かかりますので、お財布も忘れずに持っていきましょう。
個別に動物病院でも
集団ワクチン接種の時期後にワンちゃんを迎えた場合や、かかりつけの獣医(じゅういお)さんにお任せしたいという時は、個別に動物病院でのワクチン接種も可能です。
費用は集団ワクチン接種よりも診察料などで価格が高くなる事がありますので、事前に電話やメールで病院に確認していくのがおすすめです。ちなみにこちらも、市役所からのワクチン接種のお知らせハガキを持っていきましょう。
狂犬病ワクチン接種を受けたら
先ほど『狂犬病予防法』で触れたように、ワンちゃんの飼い主の義務としてこちらの3つの事が法律で決められています。飼い犬の登録と狂犬病ワクチン接種の他にも大事なことがもう一つ。
(1)現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすること
(2)飼い犬に年1回の狂犬病予防注射を受けさせること
(3)犬の鑑札(かんさつ)と注射済票を飼い犬に装着すること
引用元 KMバイオロジクス株式会社(外部リンクへ飛びます)
飼い犬の登録後に鑑札が、狂犬病ワクチン接種後には注射済票が送られてきます。どちらも3cm程度のプレートのようなものなので、ワンちゃんの首輪に付けられるようになっています。そして地方によってデザインが違いますのでググってみるのもおすすめ。
そして鑑札には登録番号が刻印されていますので、万が一ワンちゃんが迷子になった時の手掛かりにもなるかもしれません。意外なメリットですが、これは確かに有効ですよね。
こんな症状が出たら注意しよう!

それではここから狂犬病ワクチン接種の副作用とはどんなものかをご説明したいと思います。副作用と聞くと不安でいっぱいになる方も多いかもしれません。しかし怖がるばかりではなく、正しい情報を知っておくという事が何よりの予防につながるはずです。
狂犬病ワクチン接種の副作用はどんな症状?
ワクチン接種が終わって家に帰って来たらワンちゃんがなんだかぐったりしている・・・。ただ疲れているだけかな?どうしたのかな?と気になって目が離せないですよね。そこで「もしかしたら副作用かも」というチェックリストをご用意しましたのでご覧ください。
- 食欲がない、嘔吐(おうと)をする
- 下痢をしている
- 元気が無い
- 震えている
- 湿疹(しっしん)が見られる
ワンちゃんは言葉を話せないぶん、どこがおかしいかは飼い主さんがよく観察することが大事なんですね。嘔吐や下痢はすぐに判断がつきますが、『なんとなく元気が無い』というのも具合が悪いケースがありますので注意が必要です。
さらに、『激しい呼吸困難』や『けいれん』が見られる場合は『アナフィラキシーショック症状』という一刻を争うアレルギー反応を起こしているかもしれませんので、速やかにかかりつけの動物病院に連絡し診てもらうようにしましょう。
ワクチン接種の前に確認しよう

「動物病院にワクチン接種の予約を入れたけど、今日は元気がないみたい」と思ったら、まずは獣医さんに相談しましょう。体調が優れない場合は、後日回復した時に先送りする選択も必要です。もしくは重度の心疾患(しんしっかん)などの病気がある場合は見送ることも可能。
義務だからと頑(かたく)なになるのではなく、目の前の愛すべきワンちゃんの事を第一に考える事が大切なんですね。もちろん狂犬病ワクチンで、ワンちゃんや人を守る事はとっても大切な事です。しかし判断に迷ったらいったん冷静になって獣医さんに相談しましょう。
ワクチン接種をした後はできるだけ安静に
家に帰ってきてすぐにいつも通りワンちゃんのお散歩・・・の前に、少し休憩をしましょう。そしてできればいつもよりもやや距離や時間を短めにして、ワンちゃんの様子を注意深く観察。ワンちゃんが遊びたがってもボール遊びやフリスビーは控える事をおすすめします。
また、ワクチン接種から2~3日間はお風呂やシャンプーも避けましょう。できるだけストレスを与えないように、ゆっくりと過ごすという事を意識すると良いと思います。ワンちゃんに話しかけながら、ゆっくり過ごす事で絆(きずな)もより強くなっちゃいそうですよね。
まとめ
- 狂犬病ワクチン接種は副作用が起こる場合がある
- 狂犬病ワクチン接種は集団接種と個別で動物病での接種ができる
- 接種前のワンちゃんの様子をしっかり見極めることが大事
- 副作用の症状が出たらかかりつけの動物病院へ相談
- 接種後はできるだけワンちゃんを安静にさせる
2019年の調査で、日本で飼われているワンちゃんは約880万匹にも及ぶそうです。近年室内飼いでワンちゃんを迎える方も増えている背景から、ますますペットと言うよりも家族という認識になっているのではないでしょうか。
そんな大事な家族を恐ろしい病気から守るためのワクチン接種。今回調べていく中で「副作用が怖いからやらない」という声も多くありました。それも一つの選択肢ですよね。正しい知識に触れ、目の前のワンちゃんをしっかりと正面から見て改めて考えてみる機会になればと思います。
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