立秋の俳句で有名な7句をご紹介!17音で表された秋の訪れを感じよう!

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テレビのバラエティ番組で芸能人が俳句を作って競い合うコーナーをきっかけに、ひそかに俳句ブームが来ているそうです。とあるお茶メーカーでは、応募された一般の人からの俳句を紹介していますよね。あなたも一度は見かけた事があるのではないでしょうか。

俳句と言うと、現代人にとって古くさいイメージがあって近寄りがたいと思います。しかし思い返してみて下さい。日常の会話の中で時々「五・七・五」のリズムに乗せて使った事がありませんでしたか?日本人にとって俳句の「五・七・五」のリズムは意外と身近なものなのかもしれません。

俳句では季節を詠(よ)んだ句が多数あります。今回は、夏から秋に変わる「立秋」という日を詠んだ句の中から有名な俳句をご紹介しますので、ぜひ変わりゆく季節をどのように表現しているのかお楽しみ下さい!

「立秋」の俳句の特徴とは?

俳句は基本的に「五・七・五」の17音のリズムに言葉を乗せて作られ、「季語(きご)」という季節を表した言葉が入っているものがほとんどです。季語は、どのような時期に詠まれた歌なのかを示し、俳人(俳句を作る人)の思いも読み手に伝えています。

今回のテーマ「立秋」は、秋の季語で8月7日頃を示しています。「え?8月はまだ夏なのに秋なの?」と思いますが、これは中国から入って来た「二十四節気(せっき)」で定められていて、日本が旧暦(きゅうれき)を使っていた頃に取り入れられ、現在まで引き継がれているものです。

「二十四節気」と「旧暦」について
  • 「二十四節気」とは?

太陽の動きをもとにして1年を24等分にし、区切りの間に名前を付けたものです。季節の目安を付ける為に考えられました。特徴として、その時期の天候や生き物を表すような名前が付けられています。

  • 「旧暦」とは?

明治6年まで使われていました。月の満ち欠けを基本として、そこに季節ごとの太陽の動きを加えて作った暦(こよみ)の事を言います。

「立秋」は、8月7日に暑さがピークになる事から「この日を過ぎたら秋に向かって行くので、暑さも和(やわ)らいでいくであろう。」という暑さから逃れたい願いや、「朝と晩に秋の爽(さわ)やかな風を感じる」といったような秋の訪れを感じる時に使われています。

「立秋」の俳句の特徴は?

「立秋」という季語はそのまま俳句の中に使われる事もあれば、「子季語(こきご)」を用いて立秋である事を表現している場合もあります。「子季語」とは、もともとの季語(親季語)から広げた季語の事を言います。

「立秋」の子季語
  • 「秋立つ」「秋来る」「秋に入る」
  • 「今朝(けさ)の秋」「今日の秋」・・・少し気取った表現になるそうです。

立秋は、「空や雲の流れ、空気や吹き抜ける風に秋の訪れを感じて驚く」という詠み方が伝統だそうです。この伝統のきっかけを作ったのは、平安時代に作られた和歌を集めた本『古今(こきん)和歌集』にある藤原敏行(ふじわらのとしゆき)が作った和歌にあります。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」。立秋とは書いてませんが、まだ夏だと思っているところに、風の音や気温に秋の気配を感じて驚いている様子がしますね。この和歌をきっかけに、「立秋」の季語の意味として捉(とら)えられるようになりました。

立秋の有名な俳句7選をご紹介!

では、「立秋」を季語にした有名な俳句を7句ご紹介させて頂きます。昔の人々がどのように秋を感じその思いを17音に込めたのか、是非お楽しみ下さい。

あかあかと日は難面(つれなく)もあきの風

江戸時代の俳人・松尾芭蕉(まつおばしょう)の俳句です。「古池(ふるいけ)や蛙(かわず)飛びこむ水の音」は、その名を世に広めた有名な句となっています。あなたも1度は耳にした事がありますよね。

今回の句は、これまた有名な『奥の細道(ほそみち)』の中で詠まれています。旅の途中で立秋が過ぎて何日か経った頃、息を切らしながらやっとの思いで金沢に到着した時の句で、「立秋」とは書いていませんが「あきの風」と書く事で「立秋」が表現されている句です。

「あかあか」は太陽、「難面」は「無情・冷淡(れいたん)」という意味から、「立秋を過ぎたのに太陽の暑い日差しは痛いほど無情に照らしてくるが、風には秋を感じられる。秋がきたなぁ」と読み解く事が出来ます。

温泉(ゆ)の底に我足(わがあし)見ゆるけさの秋

江戸時代に活躍した「江戸三代俳人」の1人・与謝蕪村(よさぶそん)の俳句です。明治や昭和の文豪(ぶんごう)達に愛されました。画家でもあった事から、色彩を感じる俳句も作られています。

ある秋の朝、温泉に足を浸(つ)けて底を眺めてみると自分の足が見えた、という何気無い出来事から秋を感じた一コマを表しています。朝の澄んだ空気と温泉の水が透き通っている様子をかけていて、「透明感」のある俳句だと思いました。

秋立や雨ふり花のけろけろと

江戸時代に活躍した俳人・小林一茶(こばやしいっさ)の俳句です。松尾芭蕉や与謝蕪村と並ぶ「江戸三代俳人」と言われています。小林一茶と言えば「雀(すずめ)の子そこのけそこのけ御馬(おうま)がとおる」が有名なように、小さくて可愛らしい動物や子どもを詠んだ歌が特徴です。

「雨ふり花」は摘(つ)むと雨が降ってくると伝えられる草花の事です。「けろけろと」は蛙の鳴き声のようにも思いますがここでは違う意味で使われていて、現代語の「けろり」と同じように何事もなかったように平然としているさま」として使われています。

この句に使われている「秋立」は、「秋を感じて驚く」という使い方ではなく単純に「秋になった」として使われていると思います。秋になっても暑い日が続く事と、摘むと雨を降らせると言われている花は摘んでも平然としている様子に、作者が嘆(なげ)いているように感じました。

秋立つや風いくたびも聞直し

江戸時代に活躍した女流俳人・加賀千代女(かがのちよじょ)の俳句です。松尾芭蕉の一番弟子だった各務支考(かがみしこう)に才能を認められ、彼から本格的に俳句を学んだ事をきっかけに全国に名を広めました。主に「朝顔(あさがお)」を題材にした句が多い俳人です。

この句では、立秋を過ぎてもまだまだ暑い日が続いているけれど、風の音を何度も聞き返して秋を感じようとしている女性の様子が見えてきます。

砂の如(ごと)き雲流れゆく朝の秋

俳句・短歌・小説を研究し、自らも創作した明治時代の文学者・正岡子規(まさおかしき)の俳句です。その生涯は短いものでしたが、近代文学において多大(ただい)なる影響を与えました。現代でも彼のファンは数多く、その俳句は見た景色を絵画のように表現しているのが特徴です。

この句も、その時の景色が目の前に浮かんできませんか?「砂の如き雲」とは秋の晴れた空に見られる「すじ雲」の事でしょう。すじ雲は空の一番高い場所に出来るホウキで掃(は)いたような雲事で、その頃の空は空気の流れが速くなっています。

そして、秋の朝は空気が澄(す)んでいて爽(さわ)やかな気持ちにもなりますよね。ある朝の日にふと上を見上げると、青い空にホウキで砂を掃(は)いた後のような雲が流れていく様子を見て、秋を感じたのかもしれませんね。青と白の爽やかな色彩を感じさせてくれる句です。

立秋の雲の動きのなつかしき

明治から昭和にかけて活躍した俳人・高浜虚子(たかはまきょし)の俳句です。正岡子規を兄のように慕(した)い弟子となって学びました。高浜虚子も正岡子規のように、景色を絵画に写しているかのように表現して句を作っています。

この句のポイントは「なつかしき」です。現代語でも使用される「懐かしい」の古語(こご)ですが、当時は「心引かれる」という意味で多く使われています。秋の空は空気の流れも速いので、様々な雲が流れていたり、形が変化していたのかもしれません。

秋の空にある雲が、流れていったり形が変わっていったりする様子に面白くて心が惹かれ、しばらく見ていたであろう高浜虚子の姿を想像してしまいますね。

立秋の紺落ち付くや伊予絣(いよかすり)

『坊っちゃん』や『我が輩(はい)は猫である』で有名な夏目漱石(なつめそうせき)の俳句です。「伊予絣」とは愛媛県松山市で製造されている木の綿(わた)を糸のように細くして織られた布地(ぬのじ)の事で、紺(こん)色に染められて十字などの模様があります。

夏の間は涼しげな色合いの織物を着ている人が多かったのが、気がつくと少し紺色のような濃い色合いの織物を着ている人達や、または自分の衣類を見て秋の訪れを感じたのでしょう。衣(ころも)替えは、いつの時代も季節の移り変わりを感じさせてくれるのですね。

まとめ

  • 俳句は「五・七・五」の17音で作られている。
  • 俳句には季節を表す「季語」というものが入っている。
  • 秋の季語「立秋」は8月7日頃で、秋の訪れを感じた時に使われる。
  • 立秋の子季語は、「秋立つ・秋来る・秋に入る・今朝の秋・今日の秋」がある。
  • 立秋の俳句は「空や雲の流れ、空気や吹き抜ける風に秋の訪れを感じて驚く」と読み解くのが伝統である。

日本は1年を通して4つの季節が訪れ「四季」と呼ばれています。四季はさらに24等分に細かく分類されそれぞれに名前が付いています。その中で立秋は「秋」を表す季語で、秋の「もの悲しさを感じている」というよりかは、秋の訪れを願い、驚き、楽しんでいるように感じました。

俳句は「世界一短い詩と言われています。17音の言葉の中に季節を表現した俳句は、四季を感じさせるだけでなくその時の作者の心情や遊び心も込められていて、読み手の想像力を無限に膨(ふく)らます事が出来ます

あなたも生活の中で俳句を見かけた時には、是非17音で表現された世界を想像して楽しんでみて下さいね。

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