『シャーマンキング』は『週刊少年ジャンプ』で1998年31号から2004年40号まで連載されていた人気漫画です。「マンキン」と呼ばれ、話数カウントは「第○廻(かい)」でしたよね。「懐かしい!」と思う人も多いのではないでしょうか?
アニメ化もされ、2001年7月~2002年9月まで全64話放送されました。そのシャーマンキングですが、漫画の最終話が打ち切りになったことは皆さんご存知でしょうか?そこで今回はシャーマンキングのアニメの最終回と漫画の突然の打ち切りについて、考察(こうさつ)していきます。
シャーマンキングとはどんな物語?

まず初めにシャーマンキングのあらすじから説明していきますね。
彼は霊と様々な交流ができる者、「シャーマン」と呼ばれる者達の一人だった。彼は500年に一度行われるシャーマン同士の戦い「シャーマンファイト」に参加するために上京してきていた。
シャーマンファイト、それは全世界のシャーマンを統(す)べる「シャーマンキング」を決める戦いである。葉と友人になったまん太は、彼を通じて様々なシャーマンたちと出会い、その戦いを目撃していく。
要するに「世界一のシャーマンを決めるためのバトルを繰り広げていく」というお話なんですね。ちなみに主人公の麻倉葉は、少年ジャンプの主人公にありがちな熱血系のキャラクターではなく、とてもユルい性格で「なんとかなる」が口癖(くちぐせ)。
何にでも動じないところがシャーマンキングの女性人気に火をつけたといってもよいでしょう。
アニメはどのように最終回を迎えたのか?

それでは旧作のアニメはどのように最終回を迎えたのでしょうか?
シャーマンキングアニメ最終回
実は旧作のアニメ化は、調べてみると「アニメオリジナルの要素」がかなり強かったことがわかりました。特にアニメの中盤以降はほぼアニメオリジナルのストーリーとなっていき、キャラクターも内容も原作とは違った方向へ進んでいってしまいました。
なぜそうなってしまったのか?理由は簡単です。「原作をアニメが追い越してしまったから」です。 よくTVアニメが原作に追いつかないように尺を伸ばして稼(かせ)ぐ(オリジナルストーリーを入れる)ことがありますが、シャーマンキングはいさぎよく追い抜いていったようですね。
そして遂に原作に追いつかれないまま、アニメのほうが先にラストを迎えてしまい終了となってしまいました。
なぜ突然打ち切りとなってしまったのか?

なぜシャーマンキングの最終話が突然打ち切りになってしまったのか、考察していきましょう。
シャーマンキングの打ち切りの原因
それは『週刊少年ジャンプ』のアンケートにあります。少年ジャンプでは毎週読者にアンケートを行っており、そのアンケートの人気度合いで作品が継続するか打ち切りになるかを決めています。人気があれば継続、反対に人気が落ちてくると打ち切りという厳しい現実が待っているのです。
友人に話を聞いたところ、少年ジャンプを読んでいて徐々に後ろの方の掲載になっていったそうなんです。当時は『ONEPIECE(ワンピース)』や『NARUTO(ナルト)』などの人気が高く、また連載が始まったばかりの『BLEACH(ブリーチ)』の人気が爆発的な頃でした。
そういった背景などもあり段々と人気は低迷していき、打ち切りとなったのでしょう。また少年ジャンプでは恒例(こうれい)の『バトルシーン』も連載末期には徐々に減っていき、本編とは全く関係のない話で最終回となったのも原因の1つだと言えるのかもしれませんね。
最終話の内容
ここでシャーマンキングの最終話の内容についてご紹介しますね。
- 十祭司(じゅうさいし)を倒し、ハオのもとに向かう葉達。しかし葉達の巫力(みこりょく)の消費が激しかったため、カリムの高原プラントで一泊することになった。葉達の帰りを待っているアンナとまん太。
- その夜まん太は不思議な夢を見た。深い海の中でハオが呟(つぶや)く。「おやすみ」と。
- そして何故か剣を携(たずさ)えた葉達のもとに集(つど)うRPGのような衣装を着た仲間達。またドレスを着て眠りながら王子様を待ち続ける「プリンセスハオ」と謎のみかんのイラスト。
これで6年間続いたシャーマンキングはラストを迎えました。前話との繋(つな)がりとは何の脈略(みゃくらく)もなく、あまりにも唐突(とうとつ)に終わってしまったため、この最終話は当時大きな話題となりました。
今までの伏線を一切回収せず内容も意味不明だった最終話。そして「未完」とかけたと思われる謎のみかんのイラスト。この2つからでもシャーマンキングが打ち切りになってしまったことが明白(めいはく)だということがわかりますよね。
完全版で描かれた本当の最終回
衝撃的な打ち切りによる最終回を迎えたシャーマンキングですが、最終回から4年後の2008年に刊行(かんこう)された完全版に何と382ページの書きおろしが追加され、これで本当の最終回を迎えることができたのです。
- 本当の最終話ではまん太が見た謎の「プリンセスハオ」はただの夢であった。立ち塞(ふさ)がる十祭司をすべて倒し、ハオのもとにたどり着いた葉達。すでにハオはシャーマンキングとなってしまっていて、止めるには戦うことしか道はなかった。
- 絶体絶命(ぜったいぜつめい)の葉達を助けたのはハオの母親の霊だった。 ハオの母親はハオをビンタして、人類を滅(ほろ)ぼそうとするハオを説得する。母親に説得されたことでハオは戦うことをやめて、シャーマンキングとして人類を見守ることを決めた。
- そして7年後、葉とその仲間達、葉とアンナの間にできた息子の花が集まってパーティーを開く。その様子を見てハオは微笑(ほほえ)んでいた。
そしてシャーマンキング完全版は幕を閉じたのでした。ファンの方にとっては、4年後にしてやっと納得がいく最終話を読むことが出来たことが嬉しいですよね。
「シャーマンキング」から「SHAMAN KING」へ

そして完全版の発売から10年後の2018年に何と「マガジンエッジ」(講談社)で復活をするのです!コミックスを調べてみたところ、発売は講談社なのですが内容は週刊少年ジャンプの話を纏めています。
一瞬「?」となるかもしれませんが、シャーマンキングを初めから読みたいと思う方はぜひコミックスを買って読んでみて下さいね!また最近個性的な画力の漫画が多い中、武井宏之(たけいひろゆき)先生の作画力の高さも注目の1つといえるでしょう。
1コマ1コマがとても丁寧に描かれていて、改めてシャーマンキング(SHAMAN KING)のレベルの高さを知ることができますよ!シャーマンキングリニューアル刊行については、シャーマンキングが漫画でリニューアル刊行された理由を徹底解説!!でもご紹介していますので、併せて読んでみて下さいね!
まとめ
- シャーマンキングは週刊少年ジャンプで1998年31号から2004年40号まで連載されていた人気漫画。
- 2001年7月~2002年9月までアニメ化され全64話放送された。
- アニメの旧作はアニメオリジナルストーリーであったため原作を追い抜いてしまい原作より先に最終回を迎えてしまった。
- 原作の最終回は人気の低迷と読者のアンケートにより打ち切りとされてしまった。
- 2008年に刊行された完全版にて本当の最終話が描かれた。
- そして2018年から掲載誌を変えて現在も連載中。
今回はシャーマンキングのアニメ最終回と漫画の突然の打ち切りの原因について考察してみました。出版社を移籍しても話が続いていけているのは、シャーマンキングを愛してやまない人がたくさんいるからではないでしょうか。
皆さんもこの記事を読んで興味がわいたり懐かしく思ったりしたら、ぜひ読んでみてください。こんなに愛されている作品は他にはないはずですから!
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