突然ですが『ちゃんこ』と聞いて何を想像しますか?おそらく『ちゃんこ鍋』を想像する方が多いですよね。私達の日常生活では『ちゃんこ=ちゃんこ鍋』ですが、これが相撲(すもう)部屋のこととなると話は別。相撲部屋でのちゃんことは、『力士の作る料理全般』を指すのです!
もちろんその中にもちゃんこ鍋があるのでは・・・?と素朴(そぼく)な疑問を持った皆さん、安心してください(笑)鍋料理のちゃんこのことは『ちゃんこ鍋』と言うらしいです。なるほど、しっかりルール化されていたとは驚きですね。
そんな相撲部屋の『ちゃんこ』ですが、相撲部屋の食事メニューはどんなものなんだろう?と新たな疑問が。単純に体型から想像すると『ボリューム満点のガッツキ飯』といったイメージですが、実はしっかり栄養バランスの考えられたメニューなんだそう!早速調査開始です!
相撲部屋の食事ってどんなメニューなの?

体が資本の力士の皆さんですが、相撲部屋での食事メニューはどんなものなのでしょうか?時期によって食材の変化はあるものの、基本はスタミナや健康が維持できるメニュー構成になっているようですよ!ところで毎日の食事のメニューは誰が決めているのでしょう?
ちゃんこのメニューは?ちゃんこ番とちゃんこ長って?
やはり相撲部屋の力士メシと聞けばちゃんこ鍋を一番に想像してしまいますが、メニューはちゃんこを作るちゃんこ番の責任者である『ちゃんこ長』に託(たく)されています。その前にちゃんこ番って・・・?意味はそのままでごはんを作る当番の人のことを『ちゃんこ番』と呼んでいます。
このちゃんこ番は幕下以下の力士の役目。代々兄弟子が弟弟子に伝える一種の伝統のようなものだそうです。毎日のちゃんこメニューはちゃんこ長によって決定し、前日から買い出しをして当日は朝から稽古場(けいこば)でなく台所である『ちゃんこ場』で支度を始めます。
ちゃんこはやはり鍋料理が多いみたいですよ!もちろん他にも種類はあるようですが、鍋料理はなんといっても肉や魚、野菜などたくさんの食材を一度で食べることができます!また、一般家庭とは比べ物にならない量を作るため、調理がしやすいことも理由の一つだそう。
スタミナと健康維持に一役も二役も果たす食材とは?
一年を通してスタミナ勝負の力士の世界。名古屋場所や約二ヶ月の夏巡業(なつじゅんぎょう)と夏場は特に力士にとって厳しい季節と言われているので、日々の食事は力士にとって特に大事なもの。いくら鍋料理が多いといっても、暑い季節に毎日鍋では辛(つら)いですよね?
そこで注目されている食材が皆さまお馴染みの『ニラ』。スタミナ野菜の代表格とも呼ばれているニラは、強力な抗酸化作用のあるカロテンやビタミンC、骨や歯を丈夫にするカルシウムを多く含みます。体質を改善して強い身体を作る滋養強壮(じようきょうそう)にも効果があるんだそう!
また、ニラといえば匂いが特徴的で苦手という方も多いと思いますが、この匂いの元である『アリシン』という栄養素はネギやニンニクにも含まれており、これがスタミナの源(みなもと)の一つとも言われているそうですよ!
一日あたりの食事の回数は?食べる順番が決められているって本当?
相撲部屋での食事は基本昼と夜の計二回。てっきり一日五回とかたくさん食べるものだと思っていたので、これには驚きました。栄養バランスの優れた二回の食事で、きっちりスタミナと健康を維持しているのですね。
上下関係も厳しい力士の世界。もちろん食事の順番も『番付順(ばんづけじゅん)』ときっちり決められています。そのため番付が一番下の力士が食べる頃には鍋は空っぽ・・・ということも過去にはあったみたいですね。切なすぎます・・・。
けれど文句を言っている暇はありません。少しでも体を大きくするために、おかずの分も白米を頬張(ほおば)ります!あくまで相撲部屋での食事は稽古(けいこ)の一つなので。そうは言っても健康維持はできるのか・・・。大丈夫、最近はちゃんと具材も残してもらえるそうです(笑)
どうして相撲部屋の食事は『ちゃんこ』って呼ばれているの?
それではなぜ力士の世界では食事のことを『ちゃんこ』と呼ばれるようになったのでしょうか?語源(ごげん)の一説には、お父さんやお爺さんを意味する『ちゃん』という言葉に『こ』が付けられたと言われています。
また、かつて若い力士が炊事番(すいじばん)のおじさんに親しみを込めて『チャン』と呼んでいたのが、いつからか『チャンコ』に変化していたとも。ふむふむ、相撲部屋では既(すで)に当たり前のように使われている『ちゃんこ』という言葉には、こんな意味があったんですね。
普段当たり前のように使っている言葉でも、その語源を調べてみると想像と違っていたり新たな発見があったりと案外楽しいものですね!ちなみに語源説は他にも中国語由来説などあるようですよ!
『マツコの知らない世界』でも特集されていた!?
TBSの人気番組『マツコの知らない世界』でも相撲部屋の『相撲メシ』について過去に取り上げられていたんだとか!?当時はどんな内容だったのでしょう??
『相撲メシの世界、琴剣淳弥(ことつるぎ じゅんや)さん』
全45部屋の相撲メシを食べまわりデータベース化した男、琴剣淳弥さん。
“力士の食事はちゃんこ鍋だけじゃない!”
相撲部屋で提供される絶品サイドメニューをご紹介して下さいました。
代々部屋に伝わる伝統的な味から、力士を引退した伝説のちゃんこ長が作る相撲メシ。
マツコさんの食欲も止まりません。(2017年5月2日放送)
引用元 TBS『マツコの知らない世界』公式サイト(外部リンクへ飛びます)
番組内では相撲メシを多数紹介されており、唐揚げやポテトサラダ、お好み焼きといった一般家庭でもよく見る料理がズラリ。ただ、やはりちゃんこの種類は別格。カレーちゃんこや湯豆腐ちゃんこ、塩ちゃんこといったなかなか耳にしない単語が。
これまでちゃんこ鍋で一括(ひとくく)りにしていたのが恥ずかしい。お出汁や具材にもこだわりがあるようで、どれも想像するだけで思わず『おいしい』と言ってしまいそうなほど魅力的ですね。
まとめ
- 相撲部屋では食事のことをちゃんこと呼ぶ
- 食事のメニューはちゃんこ番の責任者である、ちゃんこ長が決めている
- 一日二回の食事でスタミナと健康の維持をしている
- 相撲部屋での食事は稽古の一つ
相撲部屋での食事にまつわる疑問をまとめてみました。だんだんと暖かくなってきましたが、やっぱりお鍋は栄養たっぷりでいいなと再確認。夏はきっと汗だくになりますが、それでも今後は夏場でも鍋料理を食べたくなってしまいそう。
私達にとっての食事は楽しみの一つですが、相撲部屋での食事は稽古の一つ、きっと一回の食事で食べる量は想像を絶するのでしょう・・・。
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