『鈴虫』と聞いて、あなたには何が思い浮かびますか?童謡(どうよう)の一節でしょうか。「あれ松虫が ないている ちんちろ ちんちろ ちんちろりん♪」という歌いだしは、とても有名ですよね!それとも、友達と一緒に捕まえたという、思い出でしょうか。
子供の頃、身近に感じた鈴虫は大人になり、ちょっぴり疎遠(そえん)になった人も、きっと多いと思います。そこで今回は、鈴虫の生態から関連したスポットまで、ご紹介します。幼いあの頃を思い出しつつ、新しい発見を見つけていきましょう!
鈴虫って、どんな生き物?

「鈴虫ってどんな虫?」そう聞かれると、意外と説明って難しいと思いませんか?まずは、鈴虫の生態についてみていきましょう。
鈴虫の基本的な生態について
『バッタ目マツムシ科』に分類される昆虫です。『●●科』のところは意見がわれており、『スズムシ科』『コオロギ科』と呼ばれることもあるそうですよ。体長は17~25㎜ほどの大きさとなります。日本の5円玉が22㎜なので、5円玉の大きさを思い浮かべるとわかりやすいですね。
生息範囲は幅広く、北海道~九州までみかけることができます。茂みや岩陰(いわかげ)で過ごしている昆虫なので、「幼い頃に捕まえた!」という人も多いのではないでしょうか。8月半ば~10月にかけて繁殖期(成虫期)となり、鳴き声が聴こえるのもこの時期となります。
季節と感性の違い
さて、そんな鈴虫ですが、日本では季語として用いられていることをご存じですか?鈴虫は鳴き声の聴こえる時期から、『秋』の季語とされています。ちなみに!今年すでに聴いた方も多いと思いますが、『蝉』の鳴き声は『夏』の季語として用いられていますよ。
少し話がそれますが、昆虫の鳴き声で季節を感じるのは日本人特有らしいですね。西洋では等しくノイズとしてとらえられることが多いのです。日本人は虫の鳴き声を言語として認識し、西洋では鳴き声を音として認識することが要因と考えられております。
それにしても、鳴き声から季節を感じたり、きれいに感じることができる日本人は、少しお得な感じがしませんか?せっかく聴こえるなら、ポジティブにとらえたいですよね!
鈴虫の鳴き声
話を鈴虫に戻しましょう。さきほど、鳴き声の聴こえる時期から『秋』の季語とされていると説明しましたよね?しかし、鈴虫の場合はそれだけではありません!季語として選ばれた最大の理由は、特徴的できれいな鳴き声にあります。
「リリー」や「リーン・リリーン」という、特徴的できれいな鳴き声をだします。子どもの頃に捕まえなかったあなたも、秋の公園など日常生活の中で聴いたことはあるはず!童心に返り、探してみるのもいいかもしれませんね。
そんな鳴き声ですが、鈴虫もただ鳴いているわけではありません。鈴虫には、雄(おす)から雌(めす)に対するアピール(求愛行動)という立派な理由があるのです。
昆虫における雌雄(しゆう)差
昆虫には、雌雄で行動が異なるものがいることをご存じですか?例えば、夏場における人の天敵『蚊』!血を吸うのは『雄』のみで、『雌』は血を吸わないんです!
さきほどお伝えした鈴虫のアピール(求愛行動)は、『雄』から『雌』への一方通行となります。つまり、鈴虫も雌雄差がある昆虫で、雌が鳴くことはありません。
ちなみに余談ですが、鈴虫は求愛行動の一環として直接対決でも頻繁に争います。お互いを蹴りあうのですが、不思議なことに命を懸けた戦いにはならないそうですよ。そしてこの対決も、『雄』特有のものとなります。
鈴虫が鳴く理由
鈴虫が鳴く理由は2つあり、1つは先ほどお伝えしたアピール(求愛行動)です。「自分を選んでくれ!」という気持ちを鳴き声にして届ける鈴虫は、とても情熱的で素敵に感じませんか?また、アピール(求愛行動)は更に『独り鳴き』と『競い鳴き』に分類することができます。
言葉の通り『独り鳴き』は1匹で鳴くこと、『競い鳴き』は複数匹で鳴くことを指しています。複数の雄が「我こそは!」と鳴き合う様子を想像すると、これまた情熱的なものを感じますよね。
もう1つの理由は、縄張り争いです。自分が鳴く場所を確保する為に、他の雄に対して行うものとなります。これも見方を変えてみると「独り鳴きでアピールしたいから、他の雄は寄せ付けない」という求愛行動を元とした気持ちにも感じ取れます。
ペットとしての鈴虫
ここまで、自然界における鈴虫について話してきました。では、自然界とは別の場所にも鈴虫がいることをご存じですか?それは、ペットとしての鈴虫です。
鈴虫は、卵の状態や雄と雌のセット(成虫)も販売されており、価格もリーズナブルになっています。購入する場所にもよりますが、3000円ほどあればケース等もセットでそろえることが可能です!
「賃貸なので、大きく鳴くかもしれないペットを飼うことができない・・・。」と思い当たる人もいませんか?そんな諦めた過去をもつ人に朗報です!鈴虫なら大丈夫!きれいな鳴き声は、近隣に迷惑をかける心配もありません。癒される日々を過ごす為に、ご検討してはいかがでしょうか。
鈴虫をみるスポットって、どこかにあるの?

日常でも探せば見つかる可能性があり、飼うこともできる鈴虫ですが、「そこまではしないよ・・・。」と思う人もいますよね?そんな人にお勧めな場所があります!
それは、京都府京都市左京区にある『華厳寺(けごんじ)』です!このお寺は通称『すずむし寺』とも呼ばれる場所で、なんと境内(けいだい)で鈴虫を飼育しており、秋のみならず年中を通して、鈴虫の音色を楽しむことができるというスポットになっております!
「鈴虫の為だけに、行くほどではない・・・。」と感じた方もご安心ください!すずむし寺は、ただ鈴虫を感じるだけのお寺ではありません!主なご利益としては『開運・良縁・恋愛成就』があり、特に『恋愛成就』に関して絶大な効果があるとされております!
なぜ恋愛成就が絶大なのか
一説では女性誌で紹介されたことが要因とされており、自然と女性が多く訪れたのが、結果的に『恋愛成就』に効果があるとなったというものです。
しかし、これでは趣(おもむき)がないと思いませんか?ここはすずむし寺です。鳴き声で異性へと全力でアピールする鈴虫の想いが、人の恋路も後押ししてくれている!と思いたいものです。
鈴虫のきれいな鳴き声に導かれながら、すずむし寺へと赴(おもむ)き、ご利益と良縁を結んでいきたいですね♪
まとめ
- 鈴虫は幅広いエリアで生息しており、身近でも見つけやすい昆虫
- 鈴虫は求愛行動の為に全力で鳴く、実は情熱的な昆虫
- 鈴虫は秋だけじゃない!いつでも会うことができる昆虫
- 鈴虫から広がる開運!
鈴虫は幅広いエリアで生息していることがわかりましたね。ぜひ鈴虫の鳴く季節には、耳を傾けてみてください。そこで聴こえる鳴き声の一つ一つが雄の全力の気持ちの表れだと思うと、「自分もちょっと頑張ろう!」と思えるきっかけになるのではないでしょうか。
また、すずむし寺は2020年6月1日(月)より拝観を再開しております。こんな時期ではありますが、鈴虫の鳴き声に懐かしさと元気をもらいつつ、ぜひ参拝してみてみてください。願うことによって、広がる運気も、きっとあると思います。
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